「いざ、日本の祭りへ」(1) 三社祭と浅草ガイド

氏子、宮頭、宮出し……9つのキーワードで見る三社祭2012

社会 文化

三社祭を9つのキーワードで見ると、祭りの楽しみ方が違ってくる。浅草に生まれ育った氏子の心境、浅草に魅了されて移り住んだ人の想い、神輿を復活させ継承する技、本社神輿を陰で支える人の想いなど。そこに見えるのはただ一つ「祭りをいいものにしたい」。三社祭はそんな一人ひとりが物語の「主人公」なのだ。

一之宮

本社神輿のひとつ一之宮には三社様のひとり、浅草の観音様を祀った土師仲知(はじの・なかとも)の御霊が乗っている。2012年、3年に一度巡ってくる一之宮の渡御を務めるのは東部12ヵ町会だ。5月20日12時10分、一之宮が東部の浅草馬三町会に到着した。町会と担ぎ手の魂が一体となり、高揚感と歓喜が渦巻き始めた。普段は気さくで陽気な江戸っ子たちだが、この40分間は神に陶酔しながらも荒々しく、我よ我よと本社神輿に食らいつく。その豹変ぶりに圧倒されるが、渡御が終われば皆また元の優しい笑顔に戻っていく。

【写真上】本社神輿渡御当日、早朝7:00に駒形どぜうで朝食をとるのは毎年恒例。 【写真下】浅草馬三町会の町会長の斎藤さん、鈴木さん、渡辺さん、佐藤さん、飯沼さん。この後、一之宮渡御の取材にも快く応じてくれた。

「町会には普段子どもは少ないが、祭りの時期になると嫁いだ先から子どもを連れてみんな戻ってくるんだ。この祭りが好きだからだろうね。」と話す町会長の斎藤さん。三社祭は子どもたちのための祭りでもある。

馬三町会の頭(かしら)、山崎氏による三本締め。

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