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在留外国人数が過去最高に:2015年末で223万人

社会

法務省の発表によると、2015年末時点での在留外国人数は前年比5.2%増の223万2189人で、統計を取り始めた1959年以降、最も多かった。留学、技能実習の目的で日本に滞在する人がそれぞれ15%増えたのが要因。

2013年から3年連続で増加

在留外国人数は、仕事や学業などで日本に中長期に滞在する外国人と、在日韓国・朝鮮人など特別永住者を合算したもの。2008年の214万人をピークに景気後退や東日本大震災の影響などで減少していたが、2013年に再び増加に転じた。この1年間では、11万人もの大幅増となった。

特に、留学のために日本に滞在する外国人は約24万7000人と、前年比で3万人以上増加。日本の企業や農業、漁業などの現場で技能・技術を習得する「技能実習」目的で在留する外国人も約19万3000人と、前年比約2万5000人増えた。日本の雇用状況の好転、一部業種に顕著にみられる人手不足などが背景にあるとみられる。

ベトナム、ネパール、台湾が急増

国籍別では、中国が最多の約66万6000人で、以下韓国、フィリピン、ブラジル、ベトナムの順(下表)。特にベトナムはこの1年で4万以上も日本在留者が増加した。ネパール、台湾も在留者の伸びが高かった。

国・地域別の在留外国人者数上位(2015年末)

国・地域 人数 構成比 2014年比
1 中国 665,847 29.8% 1.7%
2 韓国 457,772 20.5% -1.7%
3 フィリピン 229,595 10.3% 5.5%
4 ブラジル 173,437 7.8% -1.1%
5 ベトナム 146,956 6.6% 47.2%
6 ネパール 54,775 2.5% 29.4%
7 米国 52,271 2.3% 2.0%
8 台湾 48,723 2.2% 21.2%
9 ペルー 47,721 2.1% -0.5%
10 タイ 45,379 2.0% 5.3%
その他 309,713 13.9% 9.1%

都道府県別では、在留外国人の約2割にあたる46万2000人余りが東京都に在住。以下大阪府21万人、愛知県20万9000人、神奈川県18万人、埼玉県14万人、千葉県12万2000人と続く。全国では秋田県をのぞく46都道府県で、前年末に比べ在留外国人の数が増加した。

法務省は今回、初めて「韓国」と「朝鮮」の在留外国人数を分けて公表。「韓国」は45万7772人(前年比1.7%減)、「朝鮮」は3万3939人(同5.1%減)だった。戦前から日本に滞在する朝鮮半島出身者や子孫のうち、韓国籍を取得していない人が「朝鮮」として計上される。

バナー写真:東京マラソン2016前日に行われた距離5キロの「フレンドシップラン」。参加者1449人のうち919人が外国人ランナーで、本番のフィニッシュエリアを走った=2016年2月27日(時事)

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