Japan Data

震災から5年:被災地と復興の現状

政治・外交 経済・ビジネス

東日本大震災発生から5年。復興の現状と福島の状況を、データでまとめた。

いまだに17万8000人が避難

復興庁が2016年1月にまとめた震災による避難生活者は、約17万8000人。この1年で5万人以上減ったが、まだ仮設住宅やみなし仮設、親戚宅などに身を寄せる被災者も多数いる。福島県の避難者が半数以上の9万8000人を占める。

震災後の避難生活による体調悪化、自殺などによる「震災関連死」は、この1年で200人余り増えた。

2015 2016
震災死者 1万5894人 警察庁、16年2月1日現在
行方不明者 2562人 同上
震災関連死 3194人 3407人 復興庁、15年9月末
避難生活者 約22万9000人 約17万8000人 復興庁、16年1月
仮設住宅入居戸数
(みなし仮設など含む)
8万7635戸 6万5704戸 同上

宅地造成、完了まだ2割

避難者の住宅の受け皿の一つとなる「災害公営住宅」は建設が急ピッチで進み、計画の43%が完成した。しかし、移転して自宅を再建するための宅地は、まだ計画の2割ほどしか引き渡しできない状況。三陸沿岸など、高台に適地があまりない地域では工事に時間がかかり、完成まであと2、3年かかりそうなケースもある。

住宅・まちづくり

2014 2015 2016
災害公営住宅完成戸数 2% 15% 2万9997戸の計画に対し1万4466戸完成(49%)
自力再建者向け宅地完成数 6% 11% 2万338戸の計画に対し6534戸分完成(32%)
学校 94% 96% 2308校中2261校が復旧完了(98%)

社会基盤

2014 2015 2016
海岸堤防 14% 21% 501件の復旧工事のうち125件が完了(25%)
国道 99% 99% 1161キロ中1159キロが完成(99%)
鉄道 89% 91% 2330キロ中2171.6キロが運行再開(93%)

産業

2014 2015 2016
農地 63% 70% 2万1480ヘクタール中1万5920ヘクタールが作付け可能に(74%)
漁港 37% 56% 319港中233が完全回復(73%)
養殖施設 82% 89% 再開希望7万6193施設中6万8848が完成(90%)

(復興庁、2016年1月末現在)

伸び悩む観光産業

東北地方には美しい自然や良質の温泉、個性豊かな各地の祭りなど、豊かな観光資源がある。ここ数年で日本への外国人観光客が急増する中、震災後は「被災地」というイメージが先行してか、東北を訪れる外国人は減っている。

2010年と2014年の外国人宿泊数の比較

2010年 2014年 増減率
全国 2602万人 4207万人 161.70%
東北6県 51万人 35万人 70.10%

復興庁の記者会見資料より

次ページ: 福島の現状:原発周辺9市町村で避難指示継続

この記事につけられたキーワード

東日本大震災 復興 福島

このシリーズの他の記事