
寅さんが20年ぶりに里帰り—寅さんサミット
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映画「男はつらいよ」シリーズは、渥美清さん演じるフーテンの寅(寅さん)が日本各地を旅しては、故郷の柴又に舞い戻り、騒動を巻き起こす人情喜劇だ。1969年から95年にかけて48作品が制作され、延べ7000万人以上が劇場に足を運んだ“国民映画”である。制作が終了して20年経つが、国内外でその人気は衰えることがない。
「寅さん」で地域おこし
2015年11月7、8日、映画の中で寅さんが旅した街が集う初の「寅さんサミット」が、東京都葛飾区の柴又帝釈天周辺で開催された。寅さんが足跡を残したロケ地の交流を深めることで、作品の再評価や地域おこしにつなげていこうと、葛飾区と地元住民でつくる実行委員会が企画した。
「寅さんサミット」の開会式には、ロケ地の代表者や葛飾区長、帝釈天住職や山田洋次監督などが勢ぞろいした。
映画のロケ地となった自治体は北海道から沖縄まで200ヶ所近くに上るが、サミットには葛飾区の他、11の市町村とオーストリアの首都ウィーンが参加。ロケ地の風景の価値や魅力を守り「日本の原風景を後世に残す」との共同宣言が発表された。
サミットの開会式には46作品を監督した山田洋次さんも出席し、「このサミットがこれからも長く続き、ファンの皆様が寅さんのことを忘れずに、ここ柴又の地に来ていただくことを願っています」と述べた。
開会式で祝辞を述べる山田洋次監督(左)ロケ地の人々と思い出を語る山田監督(右)
サミットでは、ロケ地の特産品の展示・販売、地域芸能の紹介、「寅さんが歩いた原風景」をテーマにしたトークイベントなどが行われた。映画でおなじみの帝釈天参道の飲食店には、寅さんラーメンや寅さんどら焼きなど撮影当時に人気を呼んだ「寅さんメニュー」や、ロケ地の特産品をつかっただんごなど「限定メニュー」も登場。会場となった帝釈天周辺は、寅さんのコスプレイヤーや約2万人のファンらでにぎわった。来年以降も参加地域を増やしながら開催していく予定だという。
協力:寅さんサミット実行委員会 松竹株式会社