「いざ、日本の祭りへ」(1) 三社祭と浅草ガイド

“江戸っ子”気分でぶらり浅草

江戸庶民の義理人情が今も残る浅草。江戸随一のハイカラな街として、当時最先端の食文化や流行グッズを発信する粋なお洒落スポットでもあった。いざ、江戸っ子が大好きだった“浅草ワールド”へタイムスリップ!

絆纏屋(はんてんや):祭りを盛り上げる、個性豊かな手染めの衣装

浅草の人にとって必需品なのが、半纏(はんてん=着丈の短い上着)など祭りのための衣装や用品。100年以上浅草に続く呉服店に生まれ育った小島章弘さんは、祭り好きの仲間たちのために祭り用品専門店「絆纏屋」を開いた。

「浅草は祭りがなければ成り立たない。地元の仲間は三社祭をはじめとする祭りを通じて強い絆で結ばれ、地域社会の結束を強めています。そんな祭りを盛り立てたくて、この商いをしています」

扱う衣装の多くは、職人が1枚1枚丹念に手で染め、仕立てたオリジナル。「注染(ちゅうせん)」という染色技法によるぼかしや微妙な色合いは熟練した手仕事ならではのものだ。伝統的な「江戸小紋」には、台所用品であるかごや雲を描いたもの、文字を配したものなどがあり、江戸っ子の遊び心を読み解くのも楽しい。

半纏の中に着る「鯉口(こいくち)シャツ」の絵柄は100種類以上。工場で大量生産される商品にはない、少量生産かつオリジナルデザインの衣装に、江戸っ子ならずともお洒落心をくすぐられる。

浅草の老舗呉服店に生まれ育った、ご主人の小島章弘さん。祭り好きな仲間たちが「絆を纏(まとう)」という意味を込めて、「半纏」ではなく「絆纏」の文字を店名に当てた。

100種類以上のデザインがそろう鯉口シャツ。3980円~(手染め4900円~)。

江戸時代、庶民の間で着用された防寒着の「半纏(はんてん)」。2500円~(手染めは無地2万円~、柄2万8000円~)。

絆纏屋 住所/東京都台東区浅草1-37-11 TEL/03-5827-0852 営業時間/10:00~18:00 定休日/水曜 英語の解説/なし http://www.hantenya.com/

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