在留外国人のメンタルヘルス:対応医療機関の拡大急務

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板倉 君枝(ニッポンドットコム) 【Profile】

外国人労働者受け入れ拡大を背景に、在留外国人の増加は今後も続く見込みだ。共生社会への課題は多いが、中でも外国人医療の体制整備は進んでいない。異国への適応に苦労して心の問題を抱える「隣人」は、どんな支援を必要としているのか。メンタルヘルスの専門家に話を聞いた。

【参考】精神状態(SEGICAPS)の確認

  • 睡眠(Sleep): 眠れない=「寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまう、夢をたくさんみる、朝起きた時、疲れていることはありますか」と確認する。
  • 元気(Energy): 元気がない=「元気な時を100点とすると、ここ2週間は平均して何点ぐらいですか?」と確認する。うつ病の場合、30点以下を示すことが多い。
  • 罪業感(Guilty): 申し訳ないと思う=「家族や友達に申し訳ないと思うことがありますか」と確認する。
  • 趣味(Interest): 興味喪失=「どんな趣味を持っていますか、いまそれをして気を晴らすことはできますか?」と確認する。
  • 集中力(Concentration): 集中しない=「本や新聞を読む時、集中できますか、仕事や勉強に集中できますか、物忘れがひどくなったと感じることはありますか?」と確認する。
  • 食欲(Appetite): 食欲がない=「空腹感はありますか、最近、体重が減ったということはありますか、食事を食べておいしいと感じますか?」と確認する。
  • 精神運動(Psychomotor Retardation): 動きが鈍い=「考えるスピードや動作が遅くなっていると思いますか?」と確認する。
  • 希死念慮(Suicide Thought): 死にたい気持ち=「つらいから消えたいと思うことはありますか、具体的に自殺について計画したことはありますか?」と確認する。

(出典:『あなたにもできる外国人へのこころの支援』(岩崎学術出版社、2016年)

バナー写真:PIXTA

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出版社、新聞社勤務を経て、現在はニッポンドットコム編集部スタッフライター/エディター。

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