住宅探訪(3)空中ダイニングのある家
文化 暮らし
建築家が手掛けた住宅建築シリーズの第3弾は、木の箱を重ねたようなシンプルな家。ユニークな立地を利用して空中に張り出した部分をつくるなど、周囲の自然を存分に味わえる工夫がこらされている。
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親子3人が暮らすこの家は、広島県福山市の外れにあり、笹に覆われた丘の斜面に立つ。住人はそれ以前、部屋数の多いマンションに長く住んでいたので、壁で仕切られていない大きな部屋が1つあるだけの、シンプルな家を希望した。別荘を思わせるような家で、自然を存分に味わって暮らしたいとのことだった。
そこで建築家は、クライアントとともに土地を探すところから始めた。土地を見つけると、2つのシンプルな長方体を直角に重ね合わせた構造を提案した。上の部分は、クライアントの要望に応え、共有スペースとなる1つの部屋だけで成り立っている。そして下の部分に各自の寝室がある。
外壁は、全体をスギ材で覆って和の雰囲気を醸し出した。上階の東側は、下階部分の屋根をベランダにして、眼下に竹林を眺められるようにした。数々の開口部があるため、鳥や虫の声、風の音が聞こえる。しっかりと断熱されていながら、周囲の自然と直に触れ合える部分を何より大切に考えた家だ。
動画:+node
© Jérémie Souteyrat
撮影=ジェレミ・ステラ(2013年) © Jérémie Souteyrat
文=マニュエル・タルディッツ(原文フランス語)
バナー写真=+node(設計:前田圭介/UID、2012年)ダイニングルーム