日本最大の離島、佐渡へ行こう!

「金の島」佐渡を巡る

文化

東京から4時間弱で行くことができる日本最大の離島、佐渡島(さどがしま)。代名詞ともいえる「佐渡金山」の歴史を学べば、さらに滞在が楽しくなるだろう。佐渡独特の文化と金山の関わりと共に、美しい景観から、観光施設、グルメ、伝統芸能まで見所を紹介する。

レンタカーやレンタサイクルで散策

歴史好きならば、金銀山の隆盛以前の名所旧跡を探訪するのも面白い。古くは流刑地として知られた佐渡島には、奈良時代から中世に至るまで、政争などに敗れた貴族や知識人が流されてきた。特に有名なのが、承久(じょうきゅう)の乱(1221年)で敗れた順徳上皇、鎌倉幕府や諸宗を批判した日蓮聖人、室町将軍・足利義教の怒りを買った世阿弥だ。御所跡やゆかりの寺院などが残っているので、彼らの足跡をたどることができる。

両津湾を背にして、そびえ立つ佐渡日蓮聖人大銅像。銅像の高さは約13メートルで、台座を含めると26メートルにもなる

佐渡島の交通機関はバスが中心だが、本数は少なめ。短期滞在で島内を満喫したい人などは、レンタカーの利用をお薦めする。海岸線の道は島一周できるので、奇岩や里山を眺めながらのドライブが楽しい。相川と金井を結ぶ、全長約30キロメートルの大佐渡スカイラインも人気だ。最高地点が標高900メートル以上あるので佐渡全域を見下ろせ、初夏の新緑や秋の紅葉など四季折々の島の表情が楽しめる。

右奥に並ぶ二つの奇岩が、縁結びのご利益があるとされる七浦海岸の夫婦(めおと)岩。向かって右が夫で、左が妻の岩

ゆったりと佐渡を満喫したい人には、レンタサイクルもある。佐渡島は、大規模な自転車イベントやトライアスロン大会が開かれる、サイクリストには聖地のような場所。海岸線の景色を眺めながらマイペースで走り、行く先々で海の幸を頰張り、夜はおいしい地酒と温泉を堪能する。そんな旅も、佐渡島の穏やかな気候にはぴったりだ。

尖閣湾のから見た、日本海に沈む夕陽

取材・文=青木 康洋
写真=三輪 憲亮

バナー写真:尖閣湾の夕景

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