禅の言葉3 和敬清寂
文化
禅語とは、短い一句の中に禅の心や悟りの境地を込めた言葉。難解な禅の教えを理解するための手助けになる。ブラジル人漫画家が、禅語の意味を紙芝居のように仕立てた。第3回目は、「和敬清寂」。
- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
【和敬清寂(わけいせいじゃく)】
「お茶を点(た)てる主人と、そのお茶をいただく客が互いの心を和(やわ)らげて、敬い合い、精神だけでなく茶道具や茶室、露地を清浄な状態に保つことで澄み切ったこだわりのない境地に達することができる」という意味。
考えが違う人々が、一緒に生きるためには、お互いに尊敬し合わなければならない。そうした心は、清らかで静かな心境からしか生まれない。昔から茶道の精神を言い表した言葉で、禅でもよく取り上げられている。
精進料理に「和(あ)え物」がある。例えばほうれん草の胡麻和え。2種類以上の材料を混ぜて、調和のとれた「第3の味」を生み出す調理法だ。それぞれの食材の個性を活かしつつ、互いの味を引き立て合う。「人間」で考えれば、それぞれの個性を尊重しつつ、「和」を生み出していくことにも通じる。
「和敬清寂」は簡単な文字が並び、よく知られているため、つい軽く考えられがちだ。しかし、激しい競争社会に生きる私たちにとって、忘れてはならない言葉だ。
登場人物
典子:わがままな中学生
先輩:典子の中学校の先輩
おわり漫画:モクタン・アンジェロ