おもてなしの心あふれる「日本のトイレ」

行ってみたい12のトイレ

文化

日本を訪れた外国人から愛されているのが、滞在中に利用する「日本のトイレ」。清潔さと快適さの追求によって、旅をより楽しくすると絶賛されている。今回は日本中の珍しいトイレを取材し続けるマリトモさんに、訪れてみたくなる厳選12カ所を紹介してもらった。

3.「水族館トイレ」

写真:マリトモ『ニッポンのトイレほか』(アスペクト/2013年)

トイレがまるで水族館のような兵庫県明石市の林崎松江(はやしさきまつえ)海岸前にある「ヒポポパパ」(旧「ムーミンパパ」)。こちらは海が見えるレストランということで、トイレでも海の中にいる気分を提供している。
「シチュエーションに圧倒されて、思わず鍵を掛け忘れる方が多いらしく、鍵付きの扉が二重に設置されています。このトイレは、水圧でガラスが割れたり、泳いでいる魚が死んでしまったりと、何度も失敗を繰り返した末に完成しました。工費とメンテナンス費を合わせると、総額2000万円以上になるそうです」(マリトモさん)

4.「滑空トイレ」

写真:マリトモ『ニッポンのトイレほか』(アスペクト/2013年)

スキージャンプ台に腰かけているようなスリルを味わえるのが、長野県斑尾高原のゲレンデに建つ「レストランハイジ」のトイレ。
「長野オリンピックのジャンプ台からの景色を印刷したステッカーが、壁一面に貼ってあります。さらに、足下にはスキー板の写真があって、標高差136メートル、最大斜度37.5度をリアルに体感できるのです。ゲレンデにあるレストランで、冬はスキーウェアのまま腰かけられるため、よりジャンパー気分が味わえます」(マリトモさん)

5.「海上トイレ」

写真:マリトモ『ニッポンのトイレほか』(アスペクト/2013年)

東京湾横断道路「東京アクアライン」にあるパーキングエリア「海ほたる」のトイレは、その立地条件を存分に生かした設計。
「日本唯一の海上パーキングエリアにあるトイレだけに、まるで大海原に向かって用を足しているような開放感が味わえるでしょう。女性用は、小便器部分が手洗い場となっています」

6.「ガーデントイレ」

写真:マリトモ『ニッポンのトイレほか』(アスペクト/2013年)

千葉県市原市の無人駅「飯給駅」にある「ガーデントイレ」は、200平方メートルと個室では「世界一大きいトイレ」をコンセプトに作られた。
「正式名称は『Toilet in Nature』で、市原市の豊かな自然を感じながら用を足せるようにと、こうした設計になったそうです。女性用だけなので、残念ながら男性は使用できません。一応、カーテンが閉められるようになっていますが、屋外ということもあり開放感がありすぎて、用を足すのに躊躇(ちゅうちょ)してしまいます(笑)。治安の良い日本だからこそ実現できたトイレなのかもしれません」(マリトモさん)

7.「ペーパートイレ」

写真:マリトモ『ニッポンのトイレほか』(アスペクト/2013年)

壁一面にトイレットペーパーが並ぶのは、京都市左京区にある「ももじろう今出川百万遍店」。予備ペーパーが大量に常備されることで有名な日本のトイレでも、別格の数だ。
「女性用トイレは全部で81個が、きれいに三角折りされて並んでいます。実は、発注ミスでこんなにホルダーが届いてしまったそうですが、それを返品せずに並べてしまうという発想が粋ですよね。ただ、業務以外にも頻繁にトイレをチェックしては三角折りをする店員さんは大変そうです(笑)」(マリトモさん)

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