訪日外国人に人気の観光スポット

東京で和室に泊まろう!—情緒あふれる畳部屋旅館5選

文化

街の歴史を色濃く映す、味わいのある和風の旅館が東京にも残っている。畳の客室がある宿に精通する写真家が、旅情をそそる東京旅館を厳選紹介。

1日1組限定! 昭和の一軒家暮らしを体感できる宿

「畳の部屋に泊まりたい」と希望する外国人に多いのが、小津安二郎の映画やアニメ「ドラえもん」などの世界で見た日本の暮らしを体験してみたいという方。そんな人にお勧めなのが、新馬場駅にある「BAMBA HOTEL」だ。
「昭和の日本の生活を体験したいなら、やはり一軒家でしょう。ここは築70年の古民家を再生したので、1日1組だけが一棟占有するというレアな体験ができます。家族やグループでの旅行には、特にお勧めですね」(安藤氏)

新馬場は旧東海道の一番宿である品川宿として栄えた辺りで、鎌倉時代に起源を持つ品川神社が目と鼻の先。羽田空港にも近いので、日本最後の1日をここで過ごしてみては?

右上)古民家の長屋をリフォームした「BAMBA HOTEL」 上中)リビング部分も純和風の座卓に座布団 右)厳選されたアンティーク家具が揃う 下)夜は畳に敷かれた布団で

●「BAMBA HOTEL」

  • 住所:東京都品川区南品川1−1−2
  • HP:http://47gawa.tokyo/bamba/
  • アクセス:京急線新馬場駅から徒歩1分
  • 電話:070(5566)9441
  • 料金:一棟利用朝食付き 3人まで22680円〜
    ※6名以上、子供の利用などは要相談

登録有形文化財に指定される歴史的旅館

日本建築に興味がある方には、本郷の『鳳明館 本館』を推したい。
「この本館は、登録有形文化財に指定されていて明治38年築。つまり、明治期の建物に泊まれるという貴重な体験ができるのです。内装も昭和20年に改装してから、大きく手を加えていないというのですから、その佇まいはまさに歴史そのもの」(安藤氏)

元々は帝大生(現在の東京大学)向けの高級下宿屋だったため、築材には銘木を使用し、職人が意匠を凝らしたという。インターネットを利用して訪日観光客を積極的に呼び込んでいるというので、外国人対応もしっかりと行き届いている。

上左)明治時代に建てられた鳳明館本館 上右)趣のある広々としたロビー 中)職人が趣向を凝らした客室の内装 下左)中庭を客室が取り囲む 下右)大浴場も味のあるタイル張り

●「鳳明館 本館」

  • 住所:東京都文京区本郷5−10−5
  • HP:http://www.homeikan.com/
  • アクセス:都営地下鉄三田線春日駅から徒歩5分
    東京メトロ南北線東大前駅から徒歩10分
    東京メトロ丸ノ内線本郷三丁目、都営地下鉄大江戸線本郷三丁目から徒歩10分
  • 電話:03(3811)1187
  • 料金:1人朝食付き 6500円〜

日本文化を学べる下町のデザイナーズ旅館

畳の部屋に泊まってみたいけど、純和風すぎるのはちょっと不安という外国人の方にお勧めなのが三ノ輪にある「行燈旅館」(あんどんりょかん)。2003年にオープンした、畳に泊まれる「和風デザイナーズ旅館」だ。
「南千住に近い下町情緒の残る街にあるのですが、外観・内装ともに非常におしゃれ。ジェットバスには有田焼を使った銭湯風壁画があるなど、外国人旅行者大歓迎というオーナーのこだわりを感じます」(安藤氏)

宿泊客向けに茶道や生け花、寿司作りなど、日替わりで日本文化教室が開催されている。宿泊料もリーズナブルなので、長期滞在にはうってつけ。下町を一望できる屋上テラスで、夕日を見ながら飲むビールは最高に贅沢!

上)宿自慢のジェットバス 下左)行燈旅館の外観はおしゃれなデザイナーズ・ビル 下中)くつろげる畳の客室 下右)下町が一望できる屋上テラス

●「行燈旅館」

  • 住所:東京都台東区日本堤2−34−10
  • HP:http://www.andon.co.jp/
  • アクセス:東京メトロ日比谷線三ノ輪駅から徒歩5分
  • 電話:03(3873)8611
  • 料金:1泊朝食なし(一室2名) 7000円〜

【書籍情報】

『東京の、すごい旅館』

写真=安藤青太 文=岩下誠明、杉山茂徳
出版社: アスペクト
価格:¥1500(税別)
言語: 日本語
※今回紹介したものを含めて、東京で畳に泊まれる個性的な21旅館が紹介されている。

写真:安藤 青太
(散策写真、三河屋の夜景は撮り下ろし。他の旅館写真は「東京の、すごい旅館」より)

取材・文:ニッポンドットコム編集部

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