訪日外国人に人気の観光スポット

海外で魅力を再発見された「梅田スカイビル&空中庭園」

文化

誕生から20年以上が過ぎていながら、近年、「空中庭園展望台」の入場者数レコードを更新している「梅田スカイビル」。一時は減少していた来場者が急増したのは、訪日外国人観光客からの人気が理由だ。最近は、海外での評価の高さを聞いて興味を持った日本人客も増えている。再ブレイクした梅田スカイビルと空中庭園の色あせない魅力を取材した。

海外旅行客が押し寄せたおかげで国内客も増加

実際、梅田スカイビルを訪れると、外国人客の比率がとても高い。2015年度は6割だったが、16年度は7割に迫る勢いだという。
海外旅行客の訪問が増え、梅田スカイビルの状況はどう変化したのだろうか?

「以前は、夕景や夜景といった空中庭園からの眺望目当ての方が多かった気がします。でも、海外からのお客様は、梅田スカイビル自体を建築物として評価してくださる場合が多く、ビルの管理者としてはとてもうれしいです。また、『そんなに海外旅行客に評判が良いなら行ってみようかな』と日本人が興味を持ち、訪問してくれるケースも増えています。海外の方に梅田スカイビルの魅力を再発見してもらい、そのおかげで国内外両方のお客様が増えたと本当に感謝しています」(高瀬さん)

室内で飲食しながら眺望も楽しめる場所が、40階には多数用意されている

最近、関西国際空港に着いた観光客を乗せたツアーバスが、「まずは梅田スカイビルへ」と立ち寄るプランが増えている。大阪のランドマークから日本のランドマークになりつつあるともいえる。
海外から、「どうしても空中庭園でプロポーズがしたいので、手伝って欲しい」といった熱烈な問い合わせも寄せられる。本来そうしたサービスは行っていないが、客が手配した花束を受付で預かっておくなどの対応をして、プロポーズを手助けしたケースが多数あるという。
そうした人気によって、梅田スカイビルには1日中時間帯に関係なく、外国人観光客がひっきりなしに訪れている。そこで、高瀬さんに、特にお勧めの時間帯などがあるか聞いてみた。

「実際に、一番お客さんが多いのは夜景の時間です。空中庭園は午後10時まで入場できるので、昼間に他の場所を観光していた方が、『せっかく大阪に来たのだから、もう1カ所行こう』と訪れるのに便利なようです。夜は南側に広がる高層ビルのネオンが輝き、大都会・大阪の景色を満喫できます。眺望でいえば、西側には高いビルがなく、季節によって山や海に沈む夕陽がとてもドラマティックです。そして、建築物としての梅田スカイビルを楽しむには、細部までしっかりと見える昼間が一番。鏡仕立ての壁面は雲や空を映し込むので、建物は刻一刻と表情を変えていきます。つまり、どんな時間帯でも、梅田スカイビルは楽しめますので、何度も足を運んでいただけたら嬉しいです(笑)」(高瀬さん)

淀川が流れ、六甲山系が広がる西側。高い建物がなく、雄大な夕景が堪能できる

【施設データ】

梅田スカイビル

  • 地上40階 地下2階 高さ173m
  • 1993年3月竣工、7月グランドオ−プン
  • 事業主:積水ハウス株式会社、NREG東芝不動産株式会社、ダイハツディーゼル梅田シティ株式会社
  • 設計:原 広司+アトリエ・ファイ建築研究所
  • 大阪府大阪市北区大淀中1-1-88 googleマップ
  • JR大阪駅から徒歩7分、地下鉄御堂筋線梅田駅、阪急梅田駅から徒歩9分
    阪神梅田駅から徒歩13分

空中庭園

  • 営業時間:午前10時〜午後10時30分(最終入場:午後10時)※時間を延長する特別営業日あり 休館日なし
  • エントランス:39階チケットカウンター
  • 入場料金:大人1000円、中高生700円、小学生500円、幼児200円、65歳以上800円(団体割引、障がい者割引有り)※クレジットカード使用可能
  • 他言語の対応:英語、韓国語、パンフレット・HPのみ中国語(繁体字)

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取材協力=梅田スカイビル
写真=三輪 憲亮
取材・文=ニッポンドットコム編集部

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