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直径60センチの小宇宙「デザインマンホール」12選

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日本の観光地や商店街でよく見掛けるのが、ご当地キャラや名所旧跡が色鮮やかに描かれたデザインマンホール。それを鑑賞するために全国を巡る人々、通称「マンホーラー」が少しずつ増えていたが、2016年に「マンホールカード」が発行されたことで一大ブームに。その仕掛け人に話を聞いた。

見に行きたい12のデザインマンホール

マンホールカードで発行されている日本全国のデザインマンホールから、編集部お薦めの12枚を紹介。

1. 北海道札幌市

札幌の豊平川は、アイヌの人たちが「神の魚」と呼ぶサケが遡上(そじょう)する川。一時は水質悪化のため途絶えていたが、下水道整備による水質改善のおかげで、近年は毎年2000尾もが戻って来るようになった。デザインは遡上するサケと、札幌のシンボル「時計台」。

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2. 青森県青森市

毎年8月初頭に開かれる、日本を代表する東北の火祭り「青森ねぶた祭」。武人をモチーフとした迫力の大ねぶたと、「ラッセラー」という掛け声とともに乱舞する大勢の跳人(はすと)が描かれている。

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3. 東京都葛飾区

世界で愛されるキャラクター、モンチッチ。生みの親の株式会社セキグチがある東京都葛飾区にはモンチッチ公園があり、モンチッチのデザインのバスも運行しているなどファンの聖地だ。このマンホールは、2017年から新小岩駅前など10カ所に設置されている。

4. 新潟県小千谷市

「泳ぐ宝石」として珍重されるニシキゴイは、小千谷市が発祥の地。その色鮮やかな姿は100種にも及び、世界中に愛好家がいる。2004年に新潟県中越地震が発生して以来、復興のシンボルとして市の魚にも制定されている。まさに地域の宝がモチーフとなった1枚。

5. 福井県勝山市

勝山市は恐竜の化石が日本一見つかる土地で、国内最大級の地質・古生物博物館「福井県立恐竜博物館」が人気の観光施設となっている。マンホールのモチーフは、肉食恐竜として日本で初めて全身の骨格が復元されたフクイラプトル。

6. 静岡県富士市

世界遺産、富士山と駿河湾の白波がモチーフ。江戸の浮世絵師、葛飾北斎が描いた「富嶽(ふがく)三十六景」にも似たデザインだ。富士山の頂きが下水の流れの方向を示すように、市内各地に設置されている。

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