神社に行こう! 神社空間を読み解く⑧玉垣
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神社空間は、鳥居、注連縄(しめなわ)、狛犬、本殿などさまざまなパーツによって構成されている。そこに込められた意味を知ることで、神社への理解度がぐっと深まるはずだ。この連載シリーズでは、毎週火曜日と木曜日に、鳥居から社務所に至るまで12の神社アイテムを参拝の順に紹介していく。
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玉垣(たまかき)
拝殿の奥に本殿があり、ここに祭神が祀られている。そして本殿の周りには玉垣を巡らして、外界と区切っている。すなわち玉垣の外側が俗界で、内側が神域である。神社の規模などによって玉垣の数は異なるが、最も内側のものを瑞垣(みずがき)と称し、外側のものは玉垣・荒垣・板垣などと称する。ただし伊勢神宮の内宮(ないくう)においては四重の垣が巡らされ、最も内側のものを一の玉垣(または瑞垣)、二番目を二の玉垣、三番目を三の玉垣、四番目を板垣と呼ぶ。
榊(さかき)
玉垣の素材は、生木の樹木で囲む柴垣(しばがき)が最も古い形態である。そしてその樹木は、「榊(さかき)」である。木偏に神と書くように、まさに神事のための樹木であって、文字そのものも日本で作られたもので、漢字ではなく国字(和字)である。鎮守の杜は元来は照葉樹林であって、その主要な樹種の一つが榊であった。板垣には榊の玉串が一定の間隔で取り付けられているが、これはいにしえの姿を彷彿させるものだろう。
(バナー写真:出雲大社の玉垣)
写真=中野 晴生
イラスト=井塚 剛
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