「いざ、日本の祭りへ」(6)阿波踊りと四国

【動画】これぞ、阿波踊り! 娯茶平の夏

文化

「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損々!」と、お囃子が四国徳島の熱い夏をさらなる熱気で満たす。400年の歴史をもつ夏の祭り、阿波踊りを動画で紹介。

日本の踊り文化を代表する四国・徳島の阿波踊り。2014年も8月12日から15日まで数千に及ぶ連が阿波踊りに熱狂した。中でも頂点に立つ有名連の踊りはひときわ精彩を放った。

常に進化し続ける阿波踊りの世界

有名連の一つ娯茶平(ごぢゃへい)は、結成から68年目の夏を迎えた。ゆったりとしたお囃子(はやし)に、能を思わせる「すり足」、漁師が網を手繰り寄せるような踊り「網打ち」、そして女踊りの優雅な艶やかさが娯茶平の特長だ。これを守るためには日々の練習が欠かせない。第七代目連長・岡秀昭さん率いるおよそ350名の連員は、この夏の4日間のために一年もの間、練習を積んできた。

折しも2014年は弘法大師空海による四国霊場開創から1200年目に当たる。そこで娯茶平は、新たな挑戦をした。精霊踊りが起源とされる阿波おどりによって、空海の霊性と現代とを融合して表現することだ。空海が悟りを開くまでの苦行の世界、純真無垢な心、明浄転生の地、そして時は現世へと移り変わる。ストーリー性に満ちた幻想的な舞台芸術に、会場中が息をのみ、続いて大きな拍手が沸き起こった。

文=吉本 直子
タイトル写真=中野 晴生
取材協力=娯茶平、徳島県観光協会

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