「美味しい」は「楽しい」

福島のフレンチシェフ:野菜を主役にもてなす客は1日1組

文化

当日仕入れた野菜を使って1日1組だけに料理を提供する「Hagiフランス料理店」。主役は福島の食材だ。生産者と協力して旬の素材を生かす。2013年には、日本人シェフとして初めてパリ・エリゼ宮の厨房に立ち、オランド大統領に料理の腕を振るった。福島の食材を使ったオンリーワンフレンチを目指している。

萩 春朋 HAGI Harutomo

「Hagiフランス料理店」のオーナーシェフ。1976年福島県いわき市生まれ。2000年にフランス料理店「ベルクール」を開店。11年の東日本大震災時に客足が遠のき、それをきっかけに営業スタイルを1日1組だけの完全予約制にした。13年欧州に招かれ、フランス大統領、モナコ公国大公に食事を振る舞う。14 年度農林水産省の「料理マスターズ」受賞。

福島県産の食材をつかった晩夏のレシピ

最後に福島県産、いわき産の素材や伝統野菜を使ったレシピを紹介しよう。

前菜は、裏磐梯で育ったジュンサイとトリプルコンソメ。白石ファームのトウモロコシとウニを乗せた前菜。

伝統野菜のまぼろしのナス、赤ピーマン、トマトの冷凍パウダーとカツオのたたきをあわせた一品。

ソラ豆に稚鮎の内臓を混ぜ合わせたピューレと天然稚鮎のフリット

ファーム白石のトマトのエキスをジュレ状にして、採れたてのミョウガと毛ガニをあえたもの。

生きたままのウナギから取り出した骨をワインで煮たソース、ウナギのグリルといわき産米のリゾット

表面をパリッと焼いたいわき産ノドグロにクックゴールド(トマト)ソースを添えて、ナスタチウムやバジルを散らす

高級食材として知られているいわき産アワビにさっと火をいれ、会津産のサフランソースといわきの伝統野菜「小白井キュウリ」をあわせる。天然アワビには、必ず「不検出・検出限界値以下(ND)」の検査結果を付ける。

約70種類といわれるいわきの伝統野菜の一つ、おくいものピューレに載せた福島県鮫川村産のサフォーク種仔羊

いわき産フランボワーズを使ったソルベとタルト

福島市、古山果樹園の桃「あかつきネオ」とファームつばさのジャージー牛で作ったアイスクリーム。通常桃は14度ぐらいの糖度だが、この桃の糖度は時に30度を超える。

Hagiフランス料理店
〒973-8409 福島県いわき市内郷御台境鬼越171-10
Tel: 0246-26-5174
WEBサイト http://www.hagi-france.com/

取材・文=土井 惠美子 ニッポンドットコム編集部
写真=コデラケイ(特に記述のないもの)

バナー写真=白石ファームでナスをかじる萩さん

この記事につけられたキーワード

観光 東北 福島 グルメ 料理 レストラン 農家 いわき市 食材 野菜 伝統野菜 自然農法 フレンチ フランス料理 シェフ 料理人

このシリーズの他の記事