東京スカイツリーと周辺散策

ものづくりの心意気:すみだ工房ショップ探訪

文化 暮らし

墨田区には、江戸期以来の職人文化と、明治期の軽工業の発祥の地としての「ものづくり」の伝統が今も受け継がれている。スカイツリー周辺に点在する「工房ショップ」で、ぬくもりあふれる職人の心意気に触れてみよう。

墨田区のものづくり

墨田区の歴史は、「ものづくり」の発展と密接に結びついている。

江戸時代、隅田川の水運を利用した瓦、材木、染色などの地場産業が発達し、豊かな職人文化を花開かせたこの地域は、明治期になると日本の軽工業発祥の地となり、金属加工、ガラス製造、繊維、皮革からセルロイド製おもちゃの製造まで、さまざまな工場が移入してきた。その後も、関東大震災や東京大空襲の被害にあいながら、日用品や各種部品の製造拠点として発展を続け、人々の生活をささえてきたのである。

現在も中小企業によるものづくりで知られる墨田区では、ものづくりを基軸とする地域振興が活発に行われている。区が中心となって、地域ブランド戦略の立ち上げなど、伝統工芸技術の伝承と産業育成を目的に、さまざまな政策を展開しているのである。「すみだ工房ショップ」の設立推進も、その一環。製造を行う「工房」と、販売を行う「店舗」が一体化したスタイルの店づくりをすすめ、消費者にものづくりをより身近に感じてもらうことが意図されている。

東京スカイツリー周辺には、伝統技術に新しいアイディアやデザインを取り入れ、魅力的なものづくりを行う工房ショップが点在している。和紙、屏風(びょうぶ)、箸を扱う工房ショップを訪ねて、今に生きる職人スピリットとその心意気に触れてみよう。

工房ショップ探訪

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