ポップカルチャーは世界をめぐる

オタク文化、海外へ

文化

日本のマンガやアニメ、ゲームを中心とする「オタク文化」が世界に広がっている。東京、名古屋、そしてパリ。この夏3都市で開催された「オタク・イベント」を通じ、世界を席巻しつつあるポップカルチャーに迫る。

名古屋でコスプレ世界一

世界コスプレサミット」は今年で9回目(8月5日~8日)。世界各国の予選を勝ち抜いたコスプレイヤーたちが名古屋に集結して、パレードや撮影会などのイベントに参加、メインの世界コスプレチャンピオンシップで世界一を決める。今年は過去最多の17カ国代表が参加した。

4日間のプログラムの目玉は6日の「大須コスプレパレード」。各国代表と一般の参加者が思い思いのコスチュームに身を包み、名古屋市中区の大須観音を出発して大須商店街を一周する。寺の境内や商店街といった日常の空間を、カラフルな髪や服装の大集団が練り歩く光景は、なかなかシュールだ。観客は沿道をぎっしりと埋め、写真撮影をしながら歓声を上げる。高齢の商店主も「最初はびっくりしたけど、いまでは毎年楽しみにしているよ」とご機嫌だ。地域振興への貢献も大きく、オープニングには大村秀章・愛知県知事が、アニメ宇宙戦艦ヤマトのキャラクター、デスラー総統のコスプレで応援に駆けつけたほどだ。


大村秀章・愛知県知事。

日本のコスプレイヤーたちは、外国人が日本のゲームやアニメのキャラクターを演じるのをどのように見ているのだろうか。マンガ『SKET DANCE』の登場人物に扮したモチコさん(フリーター、18歳)は、「日本の文化が海外で評価されるのはうれしい。でも、もともと日本のアニメやマンガのキャラは、外国人(西洋人)に近いからなあ、本気出されたら勝てないって感じ。(金髪などの)カツラをかぶらなくていい人もいるし。スタイルもよくて可愛い」と脱帽。「あとコスプレに賭ける情熱がすごい。日本にはコスプレの専門店があるけど、外国にはないから全部手作りだって」と、海外のコスプレイヤーに大きな刺激を受けている。

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