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台湾海峡の地政学リスク
日米首脳会議やG7サミットで提起されるなど「台湾海峡の平和と安定」がグローバルなイシューになり、日本の岸田新政権も台湾情勢を注視する姿勢を見せている。一方、台湾の防空識別圏に対して、中国軍機の大規模な侵入が連日続き、台湾海峡の緊張は緩みそうにない。米中新冷戦と中台の不和、習近平体制の強硬姿勢などが重なり、中国の「台湾侵攻」=台湾有事への懸念は強まっており、隣接する日本にとっても決して他人事ではない。本シリーズでは、中台衝突の舞台となる台湾海峡の地政学的なリスクと重要性を、軍事、歴史、地理など各方面から多角的に論じていく。
バナー写真=10月10日の双十国慶節のセレモニーに合わせリハーサルを行う台湾軍のヘリコプター、2021年10月5日、新北市(© Daniel Ceng Shou-Yi/ZUMA Press Wire)