インドネシア、現地通貨決済の拡大訴え 金融緩和解除への対応で

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2月16日、インドネシア中央銀行のペリー・ワルジヨ総裁(写真)は、新興国市場は米国の利上げを含めた今年の世界的な金融引き締めサイクルを前回よりも「はるかにうまく」対処できるとの見方を示した。写真はジャカルタで2019年12月撮影(2022年 ロイター/Ajeng Dinar Ulfiana)
2月16日、インドネシア中央銀行のペリー・ワルジヨ総裁(写真)は、新興国市場は米国の利上げを含めた今年の世界的な金融引き締めサイクルを前回よりも「はるかにうまく」対処できるとの見方を示した。写真はジャカルタで2019年12月撮影(2022年 ロイター/Ajeng Dinar Ulfiana)

[ジャカルタ 16日 ロイター] - インドネシアのスリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相は16日、主要経済国が金融引き締めに向かい、新興国が資本流出に直面する可能性がある中で、現地通貨決済(LCS)の利用を世界的に拡大し、ショックに対応できるようにすべきだと語った。

インドネシアが今週主催する20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に先立って開かれたセミナーで発言した。

インドネシア中銀は米ドル建て決済から脱却するため、日本、タイ、マレーシア、中国の各中銀とLCSの導入で合意している。

スリ・ムルヤニ財務相は、「LCSは国際的な議題に上がっている。各国間の金融取引のセーフティーネットとなるほか、世界的な経済ショックによる脆弱性リスクを減らすことができるからだ」と説明。

決済通貨の多様化は経済の安定につながり、各国が新型コロナウイルス禍からの回復を持続させることを可能にすると語った。

インドネシア中央銀行のペリー・ワルジヨ総裁はこのセミナーで、昨年のインドネシアのLCS取引総額が25億3000万ドルだったとし、今年はこれを10%増やすことを目指すと語った。

総裁はまた、新興国市場は米国の利上げを含めた今年の世界的な金融引き締めサイクルを前回よりも「はるかにうまく」対処できると発言。

インドネシアなどの新興国市場は現在、前回の金融引き締めサイクルよりも優れた政策枠組みや多くの外貨準備を備え、金融市場を深化させる取り組みを進めてきたと指摘した。

また、基調的なインフレ率上昇の兆候が見られるまでインドネシア中銀が政策金利を過去最低の3.50%に維持する方針を改めて強調した。

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