五輪取材ノート:ゴルフのマキロイ、記者に「神」対応 炎天下で帽子なし
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男子ゴルフを取材した4日間、特に印象に残ったのはアイルランド代表のロリー・マキロイだ。写真は同じくアイルランド代表のシェーン・ローリー(右)と話すマキロイ。7月31日、埼玉県川越市の霞ヶ関カンツリー倶楽部で撮影(2021年 ロイター/Toby Melville)
[東京 4日 ロイター] - 男子ゴルフを取材した4日間は、炎天下から一転雷雨になる気まぐれな天候に悩まされつつ、ワールドクラスの技術を目の当たりにした。特に印象に残ったのは、アイルランド代表のロリー・マキロイ。メジャー4勝を誇る、言わずとしれた欧州のトップ選手だ。
普段は現場取材に出ない編集者の私は、「臨時記者」として主に選手のコメント取りに駆け回った。そんな私にも一流ゴルファーの対応は総じてスマートで(そうでない選手もいたが)、中でもマキロイは別格だった。
特に感心したのは第1ラウンド後の囲み取材。初日のプレーを軽く振り返った後、海外メディアのゴルフ記者が彼に質問したのは、韓国代表2選手がメダル獲得で兵役免除になるという話題と米体操スター選手シモーン・バイルスの棄権について。
兵役については「自分だったらどう思う?」という無茶とも思える質問に言葉を選びながら丁寧に答え、バイルスについては精神面の問題もけがと同じで、大坂なおみの件と同様に彼らを支持すると話した。約10分間の取材で彼がこれらの話題に費やした時間は8分ほど。単なる「おしゃべり」とは思えない長さだ。
それが終わったのを見計らい、私が「ところで、きょうの天候はどうでした?」と振り出しに戻してみた。マキロイは笑顔を見せて「日本の夏だよ。どうしろって言うの?」と即答。さらに、初日は帽子なしでプレーしていたが大丈夫なのかと尋ねると、「僕の頭はかなり小さくて特注が必要だから、ライダーカップなどのチームイベントではいつもサイズがないんだ。でも(サイズがあればアイルランド代表の)帽子はちゃんとかぶりたいんだよ」と笑わせた。
その後も暑さの中で帽子なしのプレーが続き、どうやら特注品は届かなかったようだ。銅メダルをかけたプレーオフで惜しくも敗れたが、帽子があれば結果は違っていたかもしれないと考えてしまう。
(橋本俊樹)
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