海洋プラごみ年86トン回収体制目指す 活動3年間延長 瀬戸内オーシャンズX
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世界で最も美しい内海に
日本財団(東京)と広島、岡山、愛媛、香川の4県は15日、東京都内で瀬戸内海の海洋プラスチックごみ削減に取り組む「瀬戸内オーシャンズX推進協議会」の会合を開き、年86トンの海洋ごみ回収体制の確立を目指すことを決めた。2024年度までとしていた活動期間を2027年度まで3年間延長した。
会合には日本財団の笹川陽平会長と、4県知事が参加。活動継続などを盛り込んだ覚書にサインを交わした。笹川会長は「瀬戸内海を世界で最も美しい内海にしようと活動を進めてきた。4県知事の賛同を得て継続し、解決に向け世界のモデルをつくっていきたい」と述べた。
オーシャンズXは、県境を横断して瀬戸内海のプラスチックごみを減らすため、2020年12月に発足。これまで日本財団から14億5千万円の助成を受け、2021〜23年度の3年間は年平均26トンのごみを回収した。
ただ、瀬戸内海の4県海域では年388トンのごみが新たに流入したり、発生したりしている。国などが年302トン、瀬戸内オーシャンズXの取り組みで26トンを回収しているものの、年60トンを回収できていない状態だ。
60トン積み増し年86トンの海洋ごみ回収を目指す
このため、オーシャンズXは今後の年間回収量について、従来の26トン分に新たに60トン分を加えた年86トンを目指すこととした。日本財団は27年度までに15億2千万円を追加で助成する。
期間延長で岡山県は大河川流域や海底、広島県は漁業関連、愛媛県は離島や半島、香川県は中小河川や農業用水流域でそれぞれごみ対策を強化する。2025年夏には4県合同で大規模な海洋ごみ回収イベントを実施する。
広島県の湯崎英彦知事は「活動期間の延長は、実効性を高めていくうえで大変意義深い。広島県は2050年までに新たに瀬戸内海に流出するプラスチックごみをゼロにする目標を立てている。オーシャンズXの延長に伴い、ごみの回収、処理に加えて流出防止対策も進めていきたい」と語った。
写真:ニッポンドットコム編集部
バナー写真:活動延長を決めた瀬戸内オーシャンズXの会合で、覚え書きに調印した日本財団笹川陽平会長と岡山、広島、香川、愛媛の4県知事