井上康生さんらがウクライナから一時避難の子どもに柔道指導 : 横浜の中高生と交流練習

スポーツ 教育 国際交流

ロシア侵攻による戦禍から一時避難してきたウクライナ・オデーサ市の柔道クラブのメンバーと、横浜の私立高校・中学の柔道部員たち。境遇は全く違うけれど、畳の上に立てば、「上達したい」「強くなりたい」気持ちは同じ。柔道男子日本代表の前監督の井上康生さんとリオデジャネイロ五輪銅メダリストの羽賀龍之介選手の指導を受けて、ともに汗を流した。

ウクライナの独立記念日である8月24日、横浜市の私立浅野中学・高校で、ウクライナ柔道少年・少女と柔道部員が練習で交流。シドニー五輪金メダリストで柔道男子日本代表前監督の井上康生さんと、リオデジャネイロ五輪銅メダリストの羽賀龍之介選手が指導役を務めた。

練習に参加したのは、ウクライナのオデーサ市の柔道クラブに所属する10歳~16歳の子ども12人と、コーチ2人。日本側は浅野中高のほか、慶応義塾高校、逗子開成高校の柔道部員も加わった。井上さんの掛け声に合わせて基礎練習でウォーミングアップした後、羽賀選手が得意技の「内股」を実演。腕の動かし方、足の運び方、目線の送り方などポイントに分けて詳しく解説した上で、ウクライナの子どもたちと日本の高校生が実際に組んで技を掛けあった。

内股のコツを伝授する羽賀選手と、それを見守る井上さん
内股のコツを伝授する羽賀選手。後ろで井上さんが見守る

井上さんが指導する大内刈りの入り方を、必死に体得しようとしていた
井上さんが指導する大内刈りの入り方を、必死に体得しようとしていた

自由練習の「乱取り」では、ウクライナの子どもたちが井上さんや羽賀選手を相手に果敢に技をかけにいった。羽賀選手と組んだユーリさん(16歳)は「高い技術を持つ選手を相手に、私のレベルが低すぎたが、手加減しながら実践的に指導してくれた。これからの柔道人生に良い刺激をもらった」と声を弾ませた。

銅メダリストに果敢に挑んだユーリさん
銅メダリストに果敢に挑んだユーリさん

まだ小さな子に一本を取られた井上さん
小学生に一本を取られた井上さん

横浜市とオデーサ市は姉妹都市提携を結んでおり、コロナ禍でもリモートでの交流を重ねてきた。今年に入ってオデーサ側から柔道クラブの受け入れ要望が寄せられ、 日本財団による資金面の支援もあって来日が実現。アスリートの社会貢献活動を推進する同財団の「HEROs」プロジェクトのアンバサダーを務める井上前監督が指導に協力した。

柔道教室に参加した横浜市の学生らと
柔道教室に参加した横浜市の学生らと

写真=ニッポンドットコム編集部
バナー :ウクライナの柔道クラブのメンバーと井上康生さん

日本財団 柔道 国際交流 ウクライナ 横浜市 メダリスト 井上康生