【4K動画】難攻不落の威容を示す伊賀上野城:三重県伊賀市
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三重県伊賀市にある伊賀上野城は、戦国武将で築城の名手・藤堂高虎(とうどう・たかとら)が手掛けた。着目すべきは、30メートルの高さを誇る石垣。小さめの石が緻密に組み合わされ、垂直に近い斜度でそそり立つ。大阪城に匹敵する高さで、深く掘り下げた堀とともに難攻不落の威容を示す。
黒澤明監督の「影武者」など、映画やテレビドラマのロケ地としても知られる。2層の小天守・3層の大天守は1935(昭和10)年に地元出身の代議士・川崎克(かわさき・かつ)が私財を投じて再建した。美しい城郭は「白鳳城(はくほうじょう)」と呼ばれ、市民に親しまれている。日本城郭協会の「日本100名城」にも選ばれ、伊勢神宮参拝の途上で立ち寄る観光客も多い。
伊賀上野城は当初、豊臣秀吉の本拠である大坂城を守る目的で、秀吉配下の筒井定次(つつい ・さだつぐ)により築造された。高虎は秀吉にも仕えたが、関ヶ原の戦いでは東軍につき戦功を挙げ、徳川家康の信頼を得て伊予(愛媛県)今治20万石の大名に取り立てられた。その後、秀吉の子・秀頼を奉じる豊臣方ににらみを利かせるため、伊賀、伊勢の領主として迎え入れられた高虎は本丸西側の石垣を建造。その堅牢さは西国諸藩を威圧し、家康への忠誠を示すかのようだ。藤堂家は石高を32万石に加増され、国替えなども免れ幕末までこの地を治めた。
大天守の内部は博物館になっており、展示品ではプロペラのような羽根飾りが特徴の唐冠形兜(とうかんなりかぶと)が目を引く。高虎が豊臣秀吉から拝領したもので、戦国時代の奇抜なよろいかぶとだ。第3層では、1メートル四方の書画が46枚貼られた格子天井が圧巻。横山大観などから落成祝いに贈られた貴重な作品も含まれる。天守からは上野盆地に広がる城下町が一望できる。
映像提供:ZTV
テキスト作成:ニッポンドットコム編集部