【4K動画】自然石をそのまま使う「穴太(あのう)衆」の石積み:滋賀県大津市
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比叡山延暦寺、日吉大社の門前町として発展してきた大津市坂本。石畳の道を歩くと、山での仏道修行を終えた高僧の隠居所「里坊」が目を引く。里坊には、こけむした石垣がめぐらされ、比叡山麓の町・坂本に独自の景観を生み出している。現在でも約50カ所が残る里坊の歴史的な価値が認められ、1997年に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された。
形や大きさの異なる石をあまり加工せずにそのまま積むのが、石垣の特徴だ。その技術は「穴太衆」と呼ばれる地元の石工集団が代々、伝承してきた。石の形を長方形などに整え表面を平らにした近世の城壁に比べ、一見粗削りな印象を与えるが、石が強固にかみ合うように工夫されており、地震の揺れを吸収し、豪雨でも崩れにくくなる。現代の土木工学からみても合理的な構造という。
織田信長が「穴太積み」に着目し、安土城(滋賀県近江八幡市)に取り入れた。その優れた石積みの技が喧伝(けんでん)され、諸藩の築城や補修で穴太衆が活躍した。
映像:ZTV「和菓子のある風景~大津市坂本 鶴屋益光~」より