【4K動画】石畳が続く熊野古道の峠道「馬越峠(まごせとうげ)」:三重県尾鷲市・紀北町

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熊野速玉大社(新宮)、熊野本宮大社、熊野那智大社は「熊野三山」と総称され、古代から山岳信仰の霊場として多くの参拝者が訪れた。平安時代に空海が高野山を修行の地に定めると、徒歩で聖地を巡る善男善女(ぜんなんぜんにょ)のために、紀伊半島の山中には巡礼道がひらかれた。これが2004年、世界遺産に登録された熊野古道で、正式名称は「紀伊山地の霊場と参詣道」。三重県尾鷲市と紀北町との境界にある馬越峠(まごせとうげ)も、インスタ映えする人気スポットの一つ。苔(こけ)むした石畳が2キロも続く峠道を、参詣者らでにぎわった時代を思い起こしながらぜひ歩いてほしい。

「紀州」と言うと和歌山県の印象が強いが、尾鷲市を含む三重県南部はかつて紀伊国に属し、今も県の行政地域では「東紀州」と呼ばれる。東紀州は黒潮暖流が流れる熊野灘に面しているため、湿った暖かい風が紀伊山地にぶつかり、年間降雨量は国内最大級。多雨で樹木がよく育ち、尾鷲ヒノキに代表される木材の一大産地でもある。馬越峠にはヒノキの美林が続き、木漏れ日が歩く人の心をなごませる。

熊野は富士山や北陸の白山と同様、神が座す聖地として信仰を集め大いににぎわった。モータリゼーションの進展で一時は忘れ去られた地となったが、世界遺産登録を機に再び脚光を浴び、観光やハイキングを楽しむ来訪者が増えている。

映像提供:ZTV
テキスト作成:ニッポンドットコム編集部

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