
【4K動画】京の皇族にも献納された銘菓「関の戸」:三重県亀山市
JapanIn video
旅と暮らし 食 文化 歴史他の言語で読む
- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
三重県亀山市にある関宿(せきじゅく)は東海道五十三次の一つで、旧街道沿いには古風な町家が軒を並べ、江戸時代に宿場町として繁栄した面影を残す。その一角にあるのが1642(寛永19)年創業の菓子店「深川屋(ふかわや)」である。店頭には商品名「関の戸」を記した看板が掲げられている。
関の戸は、水あめと餅粉を練った求肥(ぎゅうひ)で小豆のこしあんを包んだ、直径3センチほどの上品な餅菓子だ。表面にまぶした和三盆(わさんぼん)が鈴鹿の山に積もる雪を表現している。14代目当主の服部吉右衛門亜樹氏によると、材料の配合や製法は1780(安永9)年に書かれた「菓子仕法控」という文献に則っている。
参勤交代で関宿を訪れた大名らがこぞって関の戸を賞味した。評判は京の朝廷に伝わり、深川屋は皇族が代々門跡(住職)を務める仁和寺の御用達菓子司に任命された。その際、「陸奥大掾(だいじょう)」という律令制の官名に由来する称号を賜った。菓子を納める際には螺鈿(らでん)細工の「荷担箱(にないばこ)」が使われた。
関宿は、東海道の宿場町としては唯一、江戸時代の街並みが残されている貴重な文化遺産でもある。「街道に沿って家屋が連続し、旧宿場の規模と雰囲気をよく伝えている」と評価され1984(昭和59)年、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された。
映像:ZTV「和菓子のある風景 関宿深川屋」より
映像中の浮世絵:広重『東海道五拾三次之内 関 本陣早立(保永堂版)』亀山市歴史博物館所蔵