【4K動画】夏の風物詩「氷室開き(ひむろびらき)」を再現:石川県金沢市・湯涌(ゆわく)温泉
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氷のように固めて貯蔵した雪を掘り出す夏の風物詩「氷室開き」。江戸時代初頭に加賀藩が始め、貴重な氷雪は徳川幕府にも献上された。冷たい氷で暑さを乗り切るため、旧暦の水無月朔日(みなづきついたち=6月1日)に行われ、城下町金沢の各所に広まった。現在では、6月30日に金沢の奥座敷、湯涌温泉(金沢市湯涌町)で開催される。持続可能な開発目標(SDGs)にもかなうエネルギーゼロの伝統行事だとも言える。
製氷機や冷蔵庫の普及により氷室の存在は忘れ去られ、戦後は氷室開きも行われなくなった。その行事を復活させたのは湯涌温泉観光協会。観光振興の思惑もあったが、食物の保存などに雪を有効活用した先人の知恵に学ぼうと金沢市に働きかけ実現させた。氷室は断熱効果を高めるため、地面に穴を掘り内部をコンクリートで覆い、かやぶきの屋根をかぶせた。市民が参加して、毎年、1月の最終日曜日に雪氷づくりが行われる。
江戸期、夏の氷は庶民には手の届かない存在だったが、水無月朔日には氷に見立てた「氷室まんじゅう」を食べ、無病息災を祈った。そんな願いを込めて、石川県内の和菓子店では、6月下旬から月末にかけて氷室まんじゅうが販売される。
映像提供:金沢ケーブル『なぜだか金澤 見つけて加賀・能登』
テキスト作成:ニッポンドットコム編集部