【動画】推定樹齢300年以上の巨木、法内の八本杉―秋田県由利本荘市
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秋田県の天然スギは木曽ヒノキ、青森ヒバと並んで日本三大美林の一つに数えられる。同県北部が天然杉材の主産地で、豊臣秀吉が伏見城を建てた際に献上され、建築用の良材として全国にその名が知られるようになった。幹がまっすぐで年輪が密なため、江戸期以降も高品質の木材となる樹種として珍重されてきた。
県南の由利本荘市(ゆりほんじょうし)の国有林には、周囲の木々を圧倒するような杉の巨木が立つ。旧地名から「法内の八本杉(ほうないのはっぽんすぎ)」と呼ばれ、スギ王国秋田を象徴する存在だ。県が1984年、天然記念物に指定。国有林を管理・運営する林野庁が2000年に定めた「森の巨人たち百選」の一つでもある。
かつては8本の樹幹が分岐していたため、八本杉と呼ばれるようになったとされる。しかし現在では、枯死した1本を含め7本が地上から3メートルの部分で分立している。あと1本が存在した痕跡は残っておらず、もともと7本だが末広がりの「八」にあやかり八本杉とされたとの説もある。樹高40メートル、幹の周囲は11.5メートル。国有林では屋久島の「縄文杉」に次ぐ杉の巨木である。直立する幹の上方には葉が茂り、みごとな樹冠を形づくる。樹齢は300年以上と推定される。
神が宿る神木として地元の住民が大切に保存してきた。根元には江戸時代から小さな石の祠(ほこら)が建てられている。同庁は周囲0.5ヘクタールを植物群落保護林に指定。人為的な整備・開発は原則として行わず、自然のままに保存されている。
「森の巨人たち」に選定されたことで知名度が高まり、訪れる観光客やハイカーも増えた。徒歩10分の場所に駐車場が設けられ、八本杉までは遊歩道が整備されている。付近の道路にも「古代大木と旧街道のみち」との道標が複数設置され、車でのアクセスも良くなっている。
映像提供:CNA秋田ケーブルテレビ
テキスト作成:ニッポンドットコム編集部