【動画】世紀の干拓事業で農地造成 見どころも豊富:秋田県大潟村

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かつて滋賀県の琵琶湖に次ぐ日本で2番目の湖水面積を誇った秋田県の八郎潟。この湖を干拓して出来たのが秋田県の大潟村だ。湖底の8割弱が大地となり、広く平坦で大規模農法に適した農地が造成された。雪の下には整然と区画された田畑が広がる。雪解けとともに、大型の農業機械を駆使したコメや野菜の生産が始まる。

八郎潟の干拓事業は第二次大戦後の深刻な食糧不足を解消するため、農林省(現農林水産省)が1957年に着工した。総事業費852億円を投じた世紀の大事業は、77年に完了した。日本海に面した八郎潟は塩分を含むため、堤防で仕切りポンプで湖水を排出。干拓地の周囲に農業用水を取り入れる調整池を設けた。湖底は1万7203ヘクタールの大地となり、平らで水を張りやすい田はコメ作りに強みを発揮する。調整池では小規模な漁業が営まれ、カヌー、水上スキーといったウオータースポーツも行われる。冬場にはハクチョウなどが越冬のため飛来する。

日本の食糧基地である大潟村には意外な観光スポットもある。同村を東西に走る県道298号沿い11キロにわたり桜と菜の花が植えられ、4月中旬~5月上旬は渋滞するほど花見客が訪れる。途中にある駐車場は映える写真を撮るのに都合が良い。夏には「ひまわりロード」としてドライバーの目を楽しませる。298号線が南東に向きを変えたところには、「日本一低い山・大潟富士」が築かれている。高さは3.776メートル。干拓地全体が海面より低いので、「山頂」はちょうど海抜ゼロメートルだという。

旅の疲れは日帰り温泉「ポルダー潟の湯」で癒そう。地下深くに堆積した植物の有機物を多く含む泉質。温泉熱の浸透度が非常に高く、短時間で体の芯まで温まるという。温泉の近くにはリゾートホテル、産直センターもあり、干拓地や農業を生かした地域振興にも注目したい。

映像提供:CNA秋田ケーブルテレビ
テキスト作成:ニッポンドットコム編集部

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