“食欲&行楽の秋” 到来―JR東日本「駅弁味の陣2024」11月30日まで開催中! 歴代「駅弁大将軍」を一挙紹介
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「駅弁味の陣」は2012年、上越新幹線開業30周年・長野新幹線開業15周年を記念し、特別企画として誕生。大宮・高崎・新潟・長野エリアのこだわり駅弁23商品が参加し、利用者へのアンケートで総合評価が最も高かった駅弁を「駅弁大将軍」として表彰した。
以来、エリアを広げながら毎秋開催され、今年で13回目。昨年の投票総数は1万1437票を数えた。「駅弁大将軍」のほか、準グランプリの「駅弁副将軍」、味覚賞、盛付賞、掛け紙賞、初陣賞などの賞が用意されている。
駅弁をより身近に感じてもらおうと、今回からJR東日本構内の駅弁販売店や催事販売に加え、ECサイトで冷凍駅弁も購入できるようになった。この9月にオープンしたJRE MALL内の「【冷凍駅弁】駅弁屋 祭」で全国各地の人気駅弁を販売中だ。
大会概要は「駅弁味の陣2024」公式サイトを参照。
今年は、北は北海道、南は鹿児島まで61駅弁がエントリー。うち36が新作となる。
昨年の覇者で、過去最多の3度「大将軍」の座に輝いた「花善」(秋田県大館市)も新作を投入。その名も『とても硬い親鳥の鶏めし』(1000円)。「ゴリゴリに硬い親鳥肉を使用!アゴが疲れる!でも美味(うま)い! 親鳥ならではの旨味(うまみ)と噛(か)み応えをお楽しみください」とのコメントを寄せている。
これに対し、『牛肉どまん中』で第2回駅弁大将軍となった「新杵屋」(山形県米沢市)も、昨年「副将軍」を獲得した『牛肉どまん中 カレー味』(1350円)に続き、塩だれで味付けした『牛肉どまん中 しお』(1480円)で王座奪還を狙う。
『峠の釜めし』で知られる「荻野屋」(群馬県安中市)の新作『峠を攻める釜めし』(1600円)にも注目。「自家製ジェノベーゼソースをからめた茶飯に、ゆずこしょう入りの自家製たれで味付けした焼き鳥、オリジナルオイスターソースとブラックペッパーでピリ辛に仕上げた味付け筍(たけのこ)など、通常の峠の釜めしとは一味違う味わい」と気合十分。
ここで歴代の「駅弁大将軍」を振り返ってみると──。
第1回(2012年)
『鱈めし』 1400円・ホテルハイマート(新潟県上越市)
1992年に販売が始まったロングセラー。骨まで軟らかく煮込んだ棒鱈(ぼうだら)の甘露煮と、大ぶりの半生たらこなど鱈づくし。塩昆布の炊き込みご飯は、上越産コシヒカリを使用。白瓜(シロウリ)のかす漬けと野沢菜のわさび漬けがアクセントに。
第2回(2013年)
『牛肉どまん中』 1480円・新杵屋(山形県米沢市)
1992年の山形新幹線開業に合わせて商品開発。山形県産米「どまんなか」をふっくら炊き上げ、特製たれで味付けした牛そぼろと牛肉煮を載せて牛丼風に。掛け紙の小窓から牛肉が見えるよう工夫を凝らした。『牛肉どまん中ピザ』もある。
第3回(2014年)
『米澤牛焼肉重松川辨當(べんとう)』 1780円・松川弁当店(山形県米沢市)
1899年創業の老舗。秘伝のたれで香ばしく焼いた焼き肉、甘酢あんかけをからめた肉団子、2種類の米沢牛の甘みと肉汁が口いっぱいに広がる。レトロな掛け紙は、奥羽本線開通時の立ち売り販売(売り子)をイメージしたもの。
第4回(2015年)
『鶏めし』 980円・花善(秋田県大館市)
秋田県大館市で70年以上愛されてきた、奥羽本線を代表するベストセラー駅弁。秘伝のスープで炊き込んだ「あきたこまち100%」のご飯と、甘辛く煮込んだ国産鶏肉の絶妙なバランスが食欲をそそる。
第5回(2016年)
『比内地鶏の鶏めし』 1300円・花善(秋田県大館市)
「日本三大美味鶏」に数えられる比内(ひない)地鶏を、シンプルな塩焼きとそぼろで楽しむ。なすの田楽みそなど花善オリジナルの副菜も人気。花善は前年の『鶏めし』に続いて連覇を達成した。
第6回(2017年)
『えび千両ちらし』 1580円・新発田三新軒(新潟市)
厚焼き玉子の下に、うなぎのかば焼き、わさびじょうゆをからめたこはだ、ボイルしたイカ、蒸しエビと、すしネタを敷き詰めた。新潟産米の酢飯ととろろ昆布がおいしさを引き立てる。絵葉書の掛け紙もしゃれている。
第7回(2018年)
『海苔のりべん』 1200円・福豆屋(福島県郡山市)
郡山のブランド米「あさか舞」を使用した2段重ねの海苔(のり)弁。おかずは、厚焼き玉子、焼き鮭、煮物、梅干しとオーソドックス。「子どもの頃、忙しかった母が工夫と愛情を込めて作ってくれた海苔弁を駅弁にしたい」とのスタッフの思いから生まれた。
第8回(2019年)
『さけめし』 1400円・ホテルハイマート(新潟県上越市)
第1回駅弁大将軍に輝いたハイマートの新作弁当。上越産コシヒカリを使った塩昆布の炊き込みご飯の上に、焼いてほぐし、秘伝のたれをかけた銀鮭の身といくらがたっぷり。のちに、「鱈めし」と「さけめし」が同時に楽しめる『二大将軍弁当』も発売された。
第9回(2020年)
『諏訪弁 ほいじゃねェ』 1080円・れすとらん割烹 いずみ屋(長野県諏訪市)
「ほいじゃねェ」は諏訪地方の方言で「またね」の意味。諏訪ギョーザ、ワカサギの唐揚げ、川エビの煮付けが載った龍神おむすび、信州ポークの諏訪味噌焼き、野沢菜漬け、信州りんご、かりんの寒天など。諏訪名物を詰め合わせた。
第10回(2021年)
『ワインのめし』 1500円・丸政(山梨県北杜市)
JR東日本と老舗駅弁会社「丸政」が共同で、「ワインにぴったりのオードブル風駅弁」をテーマに開発した。甲州弁の「ワイン飲めし(飲みなよ)」を合わせてネーミング。名物ほうとうのグラタンや甲州鳥もつ煮など9品を彩りよく並べた。
第11回(2022年)
『津軽の弁当 お魚だらけ』 1400円・つがる惣菜(青森県五所川原市)
青森県でよく食べられている7種の魚を「漬ける・焼く・煮る・蒸す・揚げる」で調理。サーモン塩焼き、サバのリンゴジュース煮、ヒラメの昆布蒸し安房宮(あぼうきゅう)あんかけ、イカメンチ、ホタテの唐揚げなど、まさに「お魚だらけ」。
第12回(2023年)
『忠犬ハチ公の故郷 おおだて鶏めし』 1350円・花善(秋田県大館市)
奥羽本線・大館駅の新駅舎開業とハチ公生誕100年を記念した駅弁。花善の看板商品『鶏めし』をベースに、比内地鶏やいぶりがっこなど大館にまつわる食材を盛り込んだ。2015、16年に続いて3度目の駅弁大将軍に輝いた。
バナー写真:(左)「駅弁味の陣2024」キービジュアル(右)2023年「駅弁大将軍」の『忠犬ハチ公の故郷 おおだて鶏めし』(JR東日本提供)