“アラブ世界との架け橋に”とアラビア語を学び始めた若者たち
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国際貢献を目標にする学生の姿も
東京外国語大学(東京都府中市)は2022年12月10日、「アラビア語朗読コンテスト」を開催した。シリア・アラブ共和国大使館の協力の下、オンライン中継でシリアの教育機関も審査に加わった。
アラビア語を専攻する東京外大1年生に、早稲田大学の有志を加えた計39人の学生が参加。企画した東京外大の青山弘之教授は、「アラブ世界への関心を深め、学習者同士が交流する機会を設けたかった」と狙いを語った。
アラビア語は中東・北アフリカ20カ国以上で公用語に指定され、話者数は2億人以上に上るメジャー言語。しかし、日本で暮らすアラブ諸国出身者は6000人余りで、在日外国人全体の0.2%に過ぎない(2021年、法務省統計)。このため、日本ではアラビア語に接する機会は少ない。
学習の困難さも「壁」となっている。報道や公式の場で使用される文語(フスハー)は、イスラムの経典『コーラン』で用いられる古語がベースで、文法が複雑だ。日常会話で使う口語とは別もので、その口語も国や地域ごとに数多くの方言がある。さらに、コロナ禍で留学が難しい状況も逆風に。日本学生支援機構の調査によると、中東への日本人留学生は2019年の347人から2020年はわずか5人に激減している。
あえて難易度の高いアラビア語学習の門をくぐった学生はモチベーションが高い。早大2年の岡田祥寛さんは、イスラム神学の研究者志望。「フスハーを学んで、古典文献を読みこなしたい」という学習動機は、千年以上もほとんど変わらない言語ならではといえる。
アラビア文字の美しさに引かれたというのは、東京外大1年の山中李咲さん。アラブ世界への興味を深め、大学入学後にはヨルダンを訪問。「フレンドリーに話しかけてくれる人が多かった」と、よりのめり込み、「将来は、訪日外国人と日本人の相互理解を深めるための活動をしたい」と語る。
早大3年の向井七海さんは、「ドイツに留学して、シリア難民の友人が大勢できた。彼女たちの母国語で語り合いたくて」アラビア語を学び始めた。パレスチナ問題にも関心を抱き、原文で情報を得られるよう習得に励んでいる。
青山教授はコンテストに「学生たちの学習意欲は想像以上に高かった」と手応えを感じ、交流の機会を増やす意向を強めた。「専門性の違う学生とも切磋琢磨して強みを伸ばし、将来は日本とアラブ世界の架け橋になってほしい」と期待する。
取材・文・写真=ニッポンドットコム
バナー写真:青山教授と朗読コンテスト入賞者の学生たち