台湾野球と日本(中)〜チアリーダーと観客が熱く盛り上がる

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台湾を旅行したことがある日本人が印象に残ったこととして挙げるのは、台湾グルメや観光スポットに加えて、“人の熱気” だ。それは台湾プロ野球も例外ではない。世界のスポーツが新型コロナに翻ろうされた2020年も平常運転の台湾野球。そこでは、チアリーダーの熱のこもった応援が花を添えていた。

野球がかなえた民族の団結

チュンチュンさんは、日本の新型コロナウイルスの状況を心配すると同時に、日本の国民がしっかりと身を守り、感染対策に励んでいくことを願っている。(提供元:宏將多利安國際)
チュンチュンさんは、日本の新型コロナウイルスの状況を心配すると同時に、日本の国民がしっかりと身を守り、感染対策に励んでいくことを願っている。(提供元:宏將多利安國際)

台湾プロ野球は1989年に4チーム体制でスタート。全盛期は2リーグ・計11チームまで増えたが、何度も野球賭博事件が起こり、連盟自体が消滅の危機に瀕したこともあった。少しずつ信頼を取り戻し、現在は中信兄弟、富邦ガーディアンズ、統一ライオンズ、楽天モンキーズの4チームで、2021年には味全ドラゴンズが加入する予定だ。台湾人は政治的なことで意見が分かれることがあっても、野球だけは一致団結できるものだった。国際試合があれば、仕事を休んででも、伝統の「台日」「台韓」対決を見に行く人も少なくない。

現在、日本のプロ野球では入場や応援方法に制限があり、多くの野球ファンが球場に足を運べていない状況だ。だがチュンチュンさんは、テレビの前で応援しているファンの心は、選手に伝わっているはずだと話す。

「早く日本の新型コロナウイルス流行が収まりますように。これは何よりも大切なことです。遠くない未来に必ず日本に行けるようになると思っています」。チュンチュンさんは、日本の新型コロナウイルスの状況を心配すると同時に、日本の国民がしっかりと身を守り、感染対策に励んでいくことを願っている。

コロナのせいで世界中で多くの娯楽が失われた。時間はかかるかもしれないが、野球も、いつかきっと以前のような試合ができるようになるはずだ。台湾プロ野球は先んじて日常を取り戻した。これは各国で参考になる先例となるだろう。感染拡大防止と景気回復へと歩む中で各国が手を取り合い、世界中で1日も早くスタジアムに声援がこだまし、ファンも選手も熱くなれる日が戻ってくることを願うばかりである。

編集部からのメッセージ : nippon.com編集部がチュンチュンさんに取材したのは8月20日でした。その後、チュンチュンさんの恋人が病気で急逝されたことに編集部としても大変、心を痛めております。チュンチュンさんの心の安寧を日本からも願っています。

バナー写真=台湾プロ野球チーム「中信ブラザーズ」のチアリーダー、日本でも知名度の高いチュンチュンさん。(提供元:宏將多利安國際)

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