未曾有のコロナ危機にも「台湾式」の明るい対処法

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台湾政府のコロナ対策が注目されているが、台湾社会もまた、未曾有の危機をいかに乗り切るかについて、知恵を絞った取り組みを続けている。不眠不休で患者を助ける医療関係者や、営業面でダメージを受ける企業に対して人々の善意による支援の輪が広がり、社会が荒むことを食い止める好循環が起きている。

行動が速い台湾人ビジネスマン

SARS以上の危機に直面している宿泊業や飲食業だが、そこからは台湾商人のたくましさも見ることができる。優待や割引で消費を喚起するのだが、その方法が多種多様でユニークなのである。例えば、あるホテルでは国内旅行を喚起するため自家用車での来客者に対し、ガソリンスタンドのプリペイドカードプレゼントを開始した。また別のホテルでは医療関係者だけではなく、観光業や飲食業関係者を対象にした割引プランを打ち出している。チェックアウトの時間を午後まで延長しているホテルもある。飲食業では五つ星レストランの一流シェフを自宅へ派遣し調理する出張シェフサービスや店頭で消毒液の無料配布を行うサービスを始めたところもある。

一方で新型コロナウイルスの影響が長期化すると考えいち早く長期休業や廃業を決断している企業も少なくない。対策への決断が速いというのも台湾人ビジネスマンの特徴の一つだ。

まだ収束まで時間のかかりそうな新型コロナウイルスだが、台湾人は今回の危機をうまく乗り越えると同時に、この経験からさまざまなスキルをさらに向上させるはずである。

バナー写真=筆者が経営する会社で備蓄していたマスクのうち、1カ月分の1000枚を台南市医師会に寄付した際のようす(筆者提供)

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