沖縄に広がる「台湾に学べ」——台湾展・島嶼音楽祭に見る日台交流の新しい姿

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隈元 信一 【Profile】

「台湾に学ばなくては」。沖縄で最近、よく耳にする言葉だ。沖縄は2022年、日本復帰50年を迎える。文化の「日本化」が進む中で、伝統文化を守ろうという機運が高まっている。参考になるのが、島の文化を大切にする隣人、台湾なのである。今秋、沖縄県立博物館・美術館で「台湾展 黒潮でつながる隣(とぅない)ジマ」が開かれ、台湾と沖縄の文化交流イベント「島嶼音楽季(音楽祭)」の開催も重なった。内なる文化の見直しで先を行く台湾に学ぼうとする沖縄の姿から、日台交流の未来が見えてくる。

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ジャーナリスト。1953年鹿児島県生まれ。東京大学文学部卒業。朝日新聞記者として論説委員、編集委員、青森県むつ支局長などを歴任し2017年に退社。取材テーマはラジオやテレビなどのメディアや日本を含むアジア文化。著書に『永六輔--時代を旅した言葉の職人』(平凡社)、共著に『原発とメディア2──3.11責任のありか』『歴史は生きている──東アジアの近現代がわかる10のテーマ』(以上、朝日新聞出版)、『放送十五講』(学文社)など。

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