狛犬——台湾と日本をつなぐ身近なアート彫刻

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栖来 ひかり 【Profile】

日本の神社の入り口にたたずむ「狛犬」(こまいぬ)。

一見、どれも似たものばかりと思われるかもしれないが、よくよく比べてみると多様な表情や姿を持っている。関東・関西・九州など地域によっても異なる特徴や個性があるというのだから、狛犬の世界、実はけっこう奥深い。

台湾でも、古くから寺や廟(びょう)などに獅子像が置かれているが、台湾の日本時代に各地に建てられた日本式神社にあるのは、日本式の狛犬だ。現存する台湾の日本式狛犬を20年かけて訪ね歩いた市来訓子氏と片岡元雄氏は、「台湾の狛犬の故郷のひとつは山口県かもしれない」との説を唱えている。市来氏は、日本参道狛犬研究会関西支部長を務める狛犬の専門家で、山口県と台湾の狛犬に多くの共通点が見いだせるのだという。

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栖来 ひかりSUMIKI Hikari経歴・執筆一覧を見る

台湾在住ライター。1976年生まれ、山口県出身。京都市立芸術大学美術学部卒。2006年より台湾在住。台湾に暮らす日日旅の如く新鮮なまなざしを持って、失われていく風景や忘れられた記憶を見つめ、掘り起こし、重層的な台湾の魅力を伝える。著書に『台湾と山口をつなぐ旅』(2017年、西日本出版社)、『時をかける台湾Y字路~記憶のワンダーランドへようこそ』(2019年、図書出版ヘウレーカ)、台日萬華鏡(2021年、玉山社)。 個人ブログ:『台北歳時記~taipei story

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