日本人球団職員が語る台湾プロ野球ラミゴモンキーズの日本戦略

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礒江 厚綺 【Profile】

SNSを活用し、サービス向上にも注力

日本での認知度を高めるため、ツイッターやフェイスブックで日本語アカウント「ラミゴジャパン」を開設している他、日本の球場や台湾観光協会などでも日本語版のチラシを配布、また、台湾観光の日本語情報サイト「台北ナビ」では観戦チケットや応援ツアーの販売も行っている。桃園空港から鉄道一本で約20分、本拠地桃園国際球場の立地を最大限に生かして空港から直接観戦に来たり、試合後に深夜便で帰国するファンのために荷物の一時預かり所を設置するなどサービスを充実させている。

今後も日本人観光客への効果的なPRを実践

台湾観光の一環で一人でも多くの日本人に球場に足を運んでもらうことが現在のラミゴの最大の目標だ。そして、日本プロ野球各球団との関係では、一時的なものではなく長期的な交流を目指し、双方の球団やファンから愛される存在になりたい。王の北海道日本ハムファイターズ移籍というチャンスを生かし、より多くの人々にラミゴを知っていただける取り組みを行っていきたい。

日本の皆さん、今シーズンは是非、桃園国際球場にお越しください。

台湾プロ野球とは

1990年にリーグ戦を開始し、現在は富邦ガーディアンズ(新北)、ラミゴモンキーズ(桃園)、中信兄弟エレファンツ(台中)、統一7-ELEVENライオンズ(台南)の4チームで、前・後期各60試合、年間120試合のリーグ戦を行っている。

ラミゴモンキーズとは

前身球団はラニューベアーズ。2004~10年の間、台湾南部の高雄を本拠地としていたが、11年に本拠地を台湾北部の桃園に移し、チーム名をラミゴモンキーズと改め現在に至る。ラニュー、ラミゴは共にグループ企業。リーグの八百長問題などの不祥事で、桃園移転当初は観客動員数が低迷していたが、13年に応援スタイルを大きく転換したのと同時に清潔な観戦環境づくりに取り組んだ。その結果、若年層も楽しめる球場となり、以後、台湾球界一の観客動員数を誇っている。

バナー写真=パ・リーグ3球団のマスコットが桃園球場に一堂に会する(筆者提供)

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礒江 厚綺ISOE Kōki経歴・執筆一覧を見る

台湾のプロ野球チーム、ラミゴモンキーズ・マーケティング部日本担当。1990年東京都出身。台湾留学を期に、アジアシリーズやアジアウィンターリーグの日本チーム随行通訳を務めた他、ラミゴモンキーズの日台交流試合やイベント運営にも関わる。大学卒業後、台湾球界唯一の日本人職員として現職に就く。

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