進化するニッポンのラーメン文化

札幌、新潟、京都、徳島、博多…いま東京で食べられる、本格派“ご当地ラーメン”ガイド2025

文化

山川 大介 【Profile】

明治〜大正時代に中国から日本に持ち込まれた「小麦粉を使った麺料理」は、その後「ラーメン」として独自の発展を遂げ、今では全国各地に特色ある「ご当地ラーメン」が存在している。多くは地域のソウルフードとして親しまれ、その数は200種類近くにのぼるとされる(日本ラーメン協会調べ)。そのご当地ラーメンが今、東京に続々と進出している。さあ、都内でラーメンの旅に出掛けてみよう。

ご当地ラーメンで味わう豊かな地域性

ご当地ラーメンをひもとけば、各地の歴史を読み解くことができる。例えば、寒冷地の北海道は身体を温める味噌(みそ)やラードを使う。九州地方は養豚業が盛んなため豚骨スープが発展した。多様な素材が工夫を凝らして使われ、地域ごとの文化に根ざした味わいを楽しめるのがご当地ラーメンの魅力だ。

すべて列挙できないほどの多様化を遂げているが、代表的なものだけでも以下の呼称と地域が挙げられる。

地方色豊かなご当地ラーメンは、少し前の時代なら現地に行って味わうものだったが、2025年の東京には本格的な名店がそろっている。東京に数ある店の中から、地元出身者も認める名店を厳選して紹介する。(リンク先に詳細情報)

<北海道・東北エリア>

  • 札幌味噌ラーメン、旭川ラーメン=北海道
  • 煮干ラーメン=青森
  • からみそラーメン=秋田
  • 喜多方ラーメン、白河ラーメン=福島

<関東・中部エリア>

  • 長岡生姜醤油(しょうがしょうゆ)ラーメン、燕三条ラーメン=新潟
  • ブラックラーメン=富山
  • 佐野ラーメン=栃木
  • 勝浦タンタンメン、竹岡式ラーメン=千葉
  • 家系ラーメン=横浜
  • 台湾ラーメン=名古屋

<関西・中国エリア>

  • 高井田ラーメン=大阪
  • 天理ラーメン=奈良
  • 京都ラーメン=京都
  • 和歌山ラーメン=和歌山
  • 汁なし坦坦麺、尾道ラーメン=広島

<四国・九州エリア>

  • 徳島ラーメン=徳島
  • 博多ラーメン、久留米ラーメン=福岡
  • 熊本ラーメン=熊本
  • 宮崎辛麺=宮崎
  • 鹿児島ラーメン=鹿児島
  • 沖縄そば=沖縄

バナー写真:東京で食べられる厳選ご当地ラーメンの数々 撮影=山川大介

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    山川 大介YAMAKAWA Daisuke経歴・執筆一覧を見る

    立命館大学卒業後、飲食メディアでラーメン店の取材に注力。その後広告代理店勤務を経て、2023年に日本初となるラーメンの麺を使ったクラフトビール『華麺舞踏会』を開発。現在は株式会社Beer the Firstの取締役に就任し、企業や全国の自治体との商品開発、SNSを使った集客支援、執筆など多岐にわたり活動中。

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