眞子さまの結婚が実現に向かう3つの理由:賛否や心配…分断された国民
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小室さんが皇族となる可能性の排除
国際基督教大学の同級生だった眞子さまと小室さんが、5年ほどの交際を経て婚約が内定し、喜びの記者会見をしたのが2017年9月。それからちょうど4年、小室さんの母親の金銭トラブルによる曲折を経て、解決に至らないまま、結婚が実現することになりそうだ。しかも、内親王としては全く異例で、婚約や結婚の儀式は行われないという。
眞子さまが強く希望されていた30歳までの結婚が、なぜ今、実現しようとしているのか。新型コロナウイルス感染症は収束の見通しが立たず、戦後最大の国難とも言われる深刻な事態が続いている。さらに、金銭トラブルは秋篠宮さまが何度も口にされていた「多くの人が納得し、(結婚を)喜んでくれる状況」に至っていないのにと、疑問を抱く国民は少なくない。
ある宮内庁関係者は、結婚実現に向かっている背景について3つの理由を挙げて解説する。
「第一の理由は、眞子さまが4年間、反対の声が強い中でも小室さんとの結婚を全く諦めなかったこと。秋篠宮さまは昨年11月の誕生日記者会見で、『結婚は両性の合意のみに基づいて』と憲法の条文に触れ、親としてそれを尊重するべきだとして、『結婚を認める』と述べられた。秋篠宮さまはすでに、婚約などの儀式と切り離しての構想を考えられていたと拝察する。そして、紀子さまも前年同様に、長女の気持ちを尊重すると述べられた。
米国留学中の小室さんが今夏、ロースクールを終了して、現地の弁護士事務所に就職が決まり、生活基盤が整ったことで、結婚の条件がそろってきた」
「第二の理由は、眞子さまの問題が、皇室の今後の在り方を議論する政府の有識者会議や国会などの議論に影響を与えているので、結婚問題を早期に決着させる必要があったことだ。減少し続ける皇族数を確保するため、女性皇族が結婚後も皇室に残る『女性宮家』の案がある。配偶者や子どもを皇族にするかなどの論点が残っているが、こうした議論になると眞子さまの結婚問題がどうしても連想され、冷静な審理ができない。
率直に言えば、小室さんが皇族になる可能性を排除すること。女性宮家の対象となる女性皇族は、眞子さまの結婚後に残っている未婚の方と限定することにすれば、眞子さまと小室さんが女性宮家の想定から切り離されるので、改めて論議を深めていくことが可能になる」
「第三の理由としては、ご結婚反対の声が一部で感情的なものになっており、時間が経って解決する問題ではないから、区切りをつける必要があったこと。小室家に対する限度を超えたバッシングはもちろん、秋篠宮家に対する非礼はもうやめてほしいものだ」
ネット社会で拡大した結婚反対の声
だが、眞子さまの結婚問題で、宮内庁への抗議は依然として収まらない。秋篠宮家、小室家に対する中傷がSNSで拡散しており、ネット社会の発達で結婚反対の声はますます大きくなっている。
一方で、結婚願望や愛情は他人が理解できるものではないし、皇族にも結婚の自由があるのを認めるべきだとする、結婚賛成派の意見も散見される。また、結婚には反対でも賛成でもないが、眞子さまのこれからが心配という人も少なくない。
「コロナ」対策や、東京五輪・パラリンピック開催を巡る政府と国民の分断が顕著になったが、今や眞子さまの結婚が間近になって、国民の分断がさらに顕著となり、深刻な状況になっている。
愛情の問題は当事者二人のことなので関知しないが、多くの方が指摘するのが警備の問題である。眞子さまは今後、皇室の戸籍に当たる「皇統譜」に皇籍離脱を記載した後、住むことになる自治体で戸籍を作る。こうして結婚すれば、秋篠宮家がある赤坂御用地を離れることになる。その後、日本国民としてのパスポートを取得し、米国に渡って小室さんとの新しい生活を始めることになる。
若い二人の最大の課題は米国での警備
しかし、眞子さまが皇族の身分を離れ、厳重に守られた赤坂御用地を出れば、これまで外出の際にそばでガードしてくれた皇宮護衛官の姿はなく、警備が手薄になってしまう。それでも、国内なら元皇族として警察の警備が期待できるが、日本より治安が心配される米国での警備を、眞子さまはどうしようとお考えになっているのか。
眞子さまは、結婚に批判的な国民感情を考慮して、皇室を離れる際に国から支給される一時金を辞退する意向を示されている。一時金は皇室経済法に基づき、元皇族としての品位を保つためのもので、前例によれば眞子さまへは約1億3700万円が予想される。
首相らで構成される皇室経済会議で支給額が決まるが、辞退の前例はない。眞子さまがお気持ちを通せば、受け取った形にして福祉団体などに寄付されることになりそうだ。
しかし、米国で暮らす場合、この一時金がなくて、小室さんの収入だけでセキュリティー対策が整った住まいが購入できるのか。また、米国での警備費用はどうするのか。元皇族として、現地の警察や日本大使館、総領事館に警備を依頼するのか。警備代を秋篠宮家が負担することは、異例の形で皇室を出る眞子さまが望むとは考えにくい。
同列に論じることはできないが、英王室から離脱したヘンリー王子が一家で一時、移住していたカナダで、年間約10億円とも言われる警備費を負担することに反発したカナダ国民の反対署名運動が起きた。一家は現在、米国に住んでいるが、不法侵入事件も起き、巨額の支出を伴う警備に苦労しているとの報道も流れている。
警備上の対策は、もし眞子さまらが外国暮らしをされるなら、真剣に考えなければならず、一時金をどうするかもよく考える必要があろう。
結婚前の記者会見
結婚の前に、眞子さまと小室さんがやるべきことは、二人そろっての記者会見である。国民の納得を得るための、最後の機会にもなる。眞子さまには、国民の関心が高い一時金に関するお考えも話されてほしい。この会見で国民をみな首肯させることはできなくても、その努力を国民に見せ、けじめを付けてほしいと願う人は少なくないはずだ。
小室さんが3年ぶりに帰国することで、秋篠宮家へのこれまでの説明、そして天皇、皇后両陛下へのあいさつをどうするかの問題が生じてくる。内親王と、その夫になる人が、陛下にひと言もなく皇室を去るのは、あまりにも寂しい。
眞子さまには生涯、「元皇族」、また今の皇室典範が続けば遠い将来には「天皇の姉」の肩書が付くことになる。窮屈に思える皇室を早く出たいというお気持があるかもしれないが、若さゆえの急ぎ過ぎた選択をされないようお願いしたい。
バナー写真:婚約が内定し、記者会見される秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さん=2017年9月3日、東京都港区の赤坂東邸[代表撮影](時事)