高御座と御帳台:「即位礼正殿の儀」
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「即位礼正殿の儀」は午後1時から約30分間、宮殿の最も格が高い正殿「松の間」で行われる。180余りの国と国際機関の祝賀使節や国内からの代表、約2000人が参列。天皇陛下が高御座(たかみくら)に昇り、内外に即位を宣言して、おつとめを果たす誓いのお言葉を述べられる。
高御座は天皇が座る玉座を意味し、平安時代から即位式で使われた記録がある。現在のものは大正天皇の即位礼のため1915年に新造された。
黒塗りの三層の壇の上に八角形の屋形が乗っている構造で、高さ6.5メートル、横幅6メートル、奥行き5.4メートル、重さ8トン。屋根の上には金色に輝く霊鳥・鳳凰(ほうおう)の大きな1羽と小さな8羽、小さな鳳凰の間に鏡が飾られる。その下は緑色の欄間(らんま)と金色の飾り物が付けられ、黒漆塗りの8本の柱の間は深紫色のとばりで覆われる。朱色の欄干の下の壇には麒麟(きりん)と鳳凰が描かれる。
皇后さまは、すぐ隣にある、貴人の座を意味する御帳台(みちょうだい)に昇られる。今の高御座と一緒に作られ、形状も高御座と同じ。ただ、高さが5.7メートルとやや小さく、重さ7トン。屋根の上に飾られる霊鳥は1羽になるなど、装飾もやや簡素だ。高御座より60センチほど後ろに置かれる。
前回の平成の即位礼では、参列者に両陛下の姿が見えるよう、最初に松の間の前の廊下を通られた。しかし、令和の今回は京都御所で即位礼が行われていた時代の伝統的な経路に変更し、廊下は通らず、高御座の後方から昇られる。
正殿の儀が始まると、「松の間」正面の中庭(ちゅうてい)の鉦(しょう=かね)の合図で参列者全員が起立し、高御座と御帳台のとばりがあけられる。この時、初めて両陛下のお姿が見えることになる。鼓(こ=たいこ)の音で参列者が敬礼。安倍首相が高御座の正面に進み出ると、陛下がお言葉を述べられる。
高御座と御帳台は通常、京都御所の紫宸殿(ししんでん)にあり、前回に続いて今回も解体されて東京に運ばれた。
即位の礼の終了後、2019年12月と20年1月に東京国立博物館で、20年3月に京都御所で一般公開される。