2023年今年の漢字は「税」: 納税者としては気になる増税議論
社会 言語 文化
コロナ禍が収束し、日常が戻ってきた2023年。ワールド・ベースボール・クラシック、ラグビーワールドカップ、阪神タイガースの日本シリーズ制覇などスポーツの話題で盛り上がることが多かった。一方で、物価の高騰が続く中で、防衛費増額のための増税議論が持ち上がり、一般庶民は生活の先行きに不安を覚えずにはいられない。インボイス制度の導入で、あたふたした自営業者や企業の経理担当者も少なくなかった。そんな今年の漢字は「税」。
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日本漢字能力検定協会は12月12日、2023年の世相を表す漢字に「税」が選ばれたと発表した。世界文化遺産の清水寺(京都市東山区)で森清範(せいはん)貫主(かんす)が、縦1.5メートル、横1.3メートルの和紙に揮毫(きごう)した。
2023年「今年の漢字」上位10字
- (5976票) 税(ゼイ・セイ / みつぎ)
- (5571票) 暑(ショ / あつい)
- (5011票) 戦(セン / いくさ・たたかう・おののく・そよぐ)
- (4674票) 虎(コ / とら)
- (4653票) 勝(しょう / かつ・まさる・すぐれる・たえる)
- (3485票) 球(キュウ / たま)
- (3468票) 高(コウ /たかい・たかまる・たかめる)
- (2055票) 変(ヘン / かわる・かえる)
- (2711票) 増(ゾウ・ソウ / ます・ふえる・ふやす)
- (2472票) 楽(ガク・ラク・ゴウ・ギョウ / たのしい・たのしむ)
1位の「税」は、応募総数14万7878票のうち、最多の5976票を集めた。防衛費増額のため、法人税、たばこ税、所得税などの増税議論が巻き起こった一方で、過去2年間の税収増の還元として政府が定額減税実施の方針を示した。そのほか、インボイス制度の導入やふるさと納税など1年を通じて税にまつわる話題が途切れることがなかった。
夏の平均気温が統計開始以来最高であったことや、国連のグテーレス事務総長が「温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と述べたことなどから、2位には「暑」が入った。
3位は「戦」。ロシアによるウクライナ侵攻に加え、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が激化するパレスチナ情勢が、コロナ禍から立ち直りつつある世界に影を落としている。
「虎」「勝」「球」などスポーツにまつわる漢字も上位にランクイン。米大リーグ、ドジャース入団が正式に決まった大谷翔平選手の「翔」は11位2286票だった。
「今年の漢字」は1995年から毎年、同協会が公募し、最も多く応募が集まった漢字を発表するもので、今年で29年目となる。
1995年から2023年までの「今年の漢字」
参考:2022年今年の漢字は「戦」: ウクライナ侵攻が世界に影を落とす
バナー写真:「今年の漢字」に選ばれた「税」を揮毫する清水寺の森清範貫主=2023年12月12日、京都市東山区(時事)