
2022年の新語・流行語大賞は「村神様」: 暗いムードを振り払う言葉、2年連続で野球関連
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今年の世相を表す言葉を決める「2022年ユーキャン新語・流行語大賞」(自由国民社『現代用語の基礎知識』選)の年間大賞とトップ10が12月1日、発表された。
年間大賞、トップ10の新語・流行語
【年間大賞】村神様
ヤクルトの村上宗隆内野手は、史上初の5打席連続本塁打、王貞治氏の記録を58年ぶりに更新する56号の日本人選手最多本塁打を放ち、落合博満氏の28歳を大幅に更新する22歳の最年少でセ・リーグ三冠王に輝いた。ヤクルトを2年連続のリーグ優勝に導いた若き主砲を、ファンは「村神様」とあがめた。
56号のホームランを打ち、史上最年少三冠王を決めたのは10月3日の最終戦。9月13日の55号から今季ワーストの13試合本塁打なしのスランプを乗り越え、あまりにも劇的な記録達成に球場は沸いた。
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選考委員でコラムニストの辛酸なめ子さんは「日本の斜陽の気配をいっそう強く感じた2022年。円安に物価上昇、旧統一教会と政治の関係や五輪汚職の露呈…。希望の光だった大谷翔平では背負いきれないほどの闇が噴出した」と評す。言語学者の金田一秀穂さんは「ことばの世界ぐらいは少し明るいものを選びたいと思い、すると野球が中心になってしまった」という。
2021年の「リアル二刀流 / ショータイム」に続き、2年連続で野球関連の言葉が大賞に選ばれた。
【トップ10】
キーウ
3月30日までウクライナの首都は「キエフ」と発音していたが、ロシアから攻撃を受ける同国への連帯を示すため、政府はウクライナ語の発音に基づく「キーウ」に改めた。ちなみに、チェルノブイリは「チョルノービリ」
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きつねダンス
日本ハムファイターズの応援ダンス。原曲はノルウェーの兄弟ユニット・イルヴィスの「The Fox」。中毒性のあるリズムに、耳カチューシャと大きなシッポをつけたファイターズガールの笑顔でノックアウト!
国葬儀
1926年公布の「国葬令」は戦後、廃止され、現在は国葬の根拠法がない。このため、暗殺された安倍晋三首相は国葬ではなく、内閣府が執り行う国の儀式「国葬儀」となった。
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宗教2世
特定の宗教・信仰を持つ親の下で育った子ども世代。呪縛からの解放を求めて、当事者が2010年代後半からSNSで使っていたが、安倍晋三首相の銃撃事件を契機に、広く注目を集めた
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知らんけど
ついつい調子に乗ってよく知りもしないことをしゃべった後に、「ようは知らんけど」と責任回避する関西弁の言い回し。断定を避ける表現として、勢力を全国に広げている
スマホショルダー
最近よく見かけるスマホの斜め掛け。スマホケースにストラップをつけただけのものから、ポシェットタイプまでさまざま。スマホにスイカもクレジットカードも入っているから、スマホさえ持っていれば事足りる
てまえどり
スーパーで牛乳や豆腐を買う時、ついつい奥の方から消費期限が長いものを取っていませんか?食品ロスを減らす観点からも、手前にあるものから順番にお取りください!
ヤクルト1000
2021年4月の発売直後から品薄状態が続くヤクルトの乳酸菌飲料。リラックス効果、睡眠の質の改善などが期待される。ストレス社会の強い味方らしいが、スーパーでは購入制限がかかり、買いたくても買えないストレスが…
悪い円安
1990年8月以来、32年ぶりに1ドル=150円の円安に。日銀は異次元緩和を継続する方針で、世界との金利差から円安基調は続く。食料品、燃料などの値上げが生活を圧迫。水際対策緩和されても、海外旅行に行けない!
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【選考委員特別賞】「青春って、すごく密なので」
夏の高校野球甲子園大会で、東北勢として初めて優勝した仙台育英高校・須江航監督の優勝インタビューの言葉。コロナ禍で “密” 回避を求められ、制限や我慢ばかりを強いられてきた高校生への愛があふれた
バナー写真 : 時事