2021年の新語・流行語大賞は「リアル二刀流 / ショータイム」
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今年の世相を表す言葉を決める「2021ユーキャン新語・流行語大賞」(自由国民社『現代用語の基礎知識』選)の年間大賞とトップ10が12月1日、発表された。
年間大賞、トップ10の新語・流行語
「リアル二刀流 / ショータイム」【年間大賞】
米大リーグのエンゼルスの大谷翔平選手が、打ってはホームラン46本、投げては9勝の二刀流で大活躍。1試合で「指名打者・先発」として出場する「リアル二刀流」で活躍するさまが「ショータイム」と話題になった。
野球の神様とベーブ・ルースの「2桁本塁打&2桁勝利」を103年ぶりに塗り替えることはできなかったものの、目の肥えた米国の野球ファンをもうならせる実力で、ア・リーグ最優秀選手(MVP)は満票で受賞。最優秀指名打者(DH)に贈られる「エドガー・マルティネス賞」も日本人選手としても初受賞した。審判に敬意を払い、球場のごみを拾い、インタビューでの偉ぶることのない謙虚な姿勢にも多くの人が魅了された。
選考委員の俵万智さんは「『過去最多』と聞いて、メダル数なのか感染者数なのか、一瞬わからない日もあった。五輪とコロナの市松模様のあいだに、社会問題が見え隠れしていて、大谷選手がピンバッジのように輝いている…言葉のうえでも、そんな1年だった」と評した。
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ジェンダー平等
2021年2月、東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗元首相が、日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言して大きな波紋を呼び、翌月に辞任した。性別にかかわらず、すべての人が平等な機会を権利を持ちうる、という「ジェンダー平等」が、スポーツの世界でも達成困難な状況にある現状を象徴することになった。
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うっせぇわ
2020年10月にストリーミング配信を開始した女性シンガーAdoの「うっせぇわ」。楽曲の発表当時、高校3年生だった彼女の怒りや負の感情を込めた歌詞とパワフルなボーカルは、同世代を中心に広く共感を呼び、2021年9月時点でのストリーミング再生回数は2億回を超えた。
親ガチャ
カプセル玩具やソーシャルゲームの「ガチャ」は、開けてみるまでは当たり外れが分からない。運次第で、自分の思い通りにならない状況のうち、子どもが親を選べないことを「親ガチャに外れた」と表現するようになった。「教師ガチャ」「上司ガチャ」など他の用法にも派生して広がった。
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ゴン攻め / ビッタビタ
東京五輪のスケートボードの解説で、プロスケートボーダー瀬尻稜さんが、次々と繰り出した耳慣れない用語が話題となった。「ゴン攻め」は、手すりや階段などの難所を臆せず攻めること、「ビッタビタ」は狙い通りの場所にぴったりとはまること。スケボーになじみのない層にも、競技の魅力を伝えることに貢献した。
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人流
2020年の大賞「3密」に続く、今年のコロナ禍関連ワードが「人流」。物流に対して、旅客や人の輸送・移動を意味する。度重なる緊急事態宣言の発令や、飲食店には酒類の提供禁止を要請するなど、人流を抑制しようとするさまざまな試みが続いた。
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スギムライジング
パラリンピック競技のボッチャは、目標の白い球(ジャックボール)に、6球ずつのボールをいかに近づけるかを競う。東京パラリンピックに出場した杉村英孝さんは、密着したボールに乗り上げる技「ライジング」という難度の高い技を絶妙なコントロールで繰り出し、個人で金メダル、チームで銅メダルを獲得した。その妙技を称えて「スギムライジング」と呼ばれた。
Z世代
1990年代後半から2000年代に生まれた、現在10代~20代前半の若者世代の総称。子どものころから当たり前にインターネット環境があり、情報検索や友達とのつながりのツールとしてスマホを使いこなす、デジタルネイティブ世代でもある。
ぼったくり男爵
2021年5月、国内でコロナ第4波に終息の兆しが見えない中、「コロナに打ち勝った証として」という大義のもとで東京2020五輪開催への流れが加速。そこには国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長の意向を損ねないように、という関係者の意図が見え隠れした。このような日本の状況を米ワシントンポスト紙が報じた記事で使われた「Baron Von Ripper-off」の和訳が「ぼったくり男爵」だった。
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黙食
会食時に、なるべく他人との会話を避けて、黙々と食事をすることから「黙食」。ポスターを掲示して呼びかけた飲食店が話題になったこともあり、コロナ禍での新しい食事マナーを呼びかけるキーワードとして定着した。
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バナー写真 (左)ロイター、(右)時事