夏至
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2023年の「夏至」は6月21日だ。夏至を迎えると、太陽がほぼ真南に来たときの位置は1年で最も高くなり、影の長さは最も短くなる。いよいよ本格的な夏がやってくる。
三重県伊勢市にある二見興玉神社では、伊勢湾に並ぶ夫婦岩の真ん中から昇る朝日を浴びながら身を清める夏至祭が行われる。
キャンドルナイト
2003年の夏至から始まったムーブメント「100万人のキャンドルナイト」。夏至と冬至の午後8時から10時までの2時間、「でんきを消して、スローな夜を」を合言葉に、ゆっくりと過ごす時間を持つことを提唱している。
この時間帯は東京タワーもライトを消す。東京・芝にある増上寺では、大殿前の階段から参道にかけてSDGsの17の目標と169のターゲットにちなんだ17色1690個のキャンドルが設置され、多くの企業や団体、個人が参加する。
半夏生(はんげしょう)
夏至(6月21日ごろ)から数えて11日目の7月2日ごろから七夕までの5日間を半夏生といい、田植えを終える目安としていた。
この頃に咲くハンゲショウは、上部の葉が絵の具を塗ったように白くなることから、「半化粧」とも呼ばれる。花の時期が終わると、白い部分は緑色に変わる。
サクランボ
「赤い宝石」の異名を持つサクランボは、バラ科の果物でイチゴやビワ、梅の仲間。6月〜7月が旬だ。1868年にドイツ人が北海道に苗木6本を植えたのが日本での栽培の始まりとされている。山形県は日本一の生産量を誇り、全国の7割を占める。東根市の佐藤栄助氏によって品種改良された「佐藤錦」は、糖度が高く、酸味とのバランスに優れたサクランボとして人気が高い。
沖縄・慰霊の日(6月23日)
太平洋戦争末期の沖縄戦(1945年)で犠牲になった20万人を悼む慰霊の日。沖縄戦の組織的戦闘が終結した日に当たり、毎年、糸満市の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」が行われる。公園内の「平和の礎(いしじ)」には、国籍を問わず全ての戦没者の名前が刻まれている。この日は霊を慰め、平和を祈る日として、沖縄県は条例で休日にしている。
夏越(なごし)の祓(はらえ)(6月30日)
毎年、6月と12月の末に行われる大祓(おおはらえ)は、罪やけがれをはらい清める神事だ。6月の神事は「夏越の祓」と呼ばれる。多くの神社で茅(かや)などの植物で編んだ大きな輪「茅(ち)の輪」を設置し、夏を前に輪をくぐることでけがれを払い、無病息災を祈る。
富士山の山開き
7月1日は、霊峰・富士山の山梨県側にある「吉田ルート」の山開き。車で行ける5合目から山頂までが開通する。富士山ではこの日に合わせて山小屋の営業や救護所が開設される。
水無月(みなづき)
旧暦の6月は、新暦の6月下旬から8月上旬にあたり「水無月」と呼ぶ。和風月名と同じ名前の和菓子「水無月」は、京都の発祥。白ういろうの上に小豆を乗せて三角形に切り分けて食べる。平安時代(794-1185)の宮中では、氷室に保管していた氷を食べて暑気払いをしていたが、庶民には手が届かなかったため、氷に見立てた水無月を作って涼を求めたと言われている。京都には今でも6月30日に水無月を食べる習慣がある。
ところてん
海藻のテングサから作るところてんは、日本独特の食べ物で、平安時代にはすでにあったと言われている。冷やしたところてんはのど越しがよく、暑さで食欲のないときにぴったり。地域によって三杯酢や酢じょうゆ、黒蜜などをかけて食べる。
カンパチ
ブリの仲間で最も大きく、体長1.5メートルほどにもなる。脂がのって味が濃いカンパチは刺し身がお勧め。漬け丼、照り焼き、あら煮などもおいしい。
監修:井上象英 (INOUE Shōei)、暦作家・暦法研究家・神道教師・東北福祉大学特任講師。『神宮館高島暦』の主筆を長年務め、現在は、講演や執筆活動を行う。
バナー写真=朝日が昇る夏至の夫婦岩(PIXTA)