豆腐を知り尽くしたマイスターのイチオシ簡単レシピ
食
この季節にぴったりのレシピを豆腐マイスターの工藤詩織さんに紹介してもらう。ポタージュ、ハワイ料理のポケ、カプレーゼ風サラダやスパニッシュオムレツも豆腐で作れる。そのまま食べてもおいしいが、焼く、煮る、揚げる、つぶすなど、豆腐は調理方法によって味や印象が一変する。
- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
豆腐をそのままで
どんな食材とも調和する柔軟性やその姿形から「白いキャンバス」と例える職人もいる。最も簡単な食べ方の「冷ややっこ」のように、そのままでも食べられるほど手軽な食材だ。まず、そのまま食べる際にお勧めしたいのは、具材の準備をしている間に、豆腐を皿に出して室温に慣らしておくこと。大豆のこくを感じやすくなり、豆腐を堪能できる。
アレンジ冷ややっこ【サルサ・メヒカーナやっこ】
作り方
- トマト、赤タマネギ、ピーマン、唐辛子をそれぞれ細かく切る。
- 塩、オリーブオイル、すりおろしニンニク、レモン果汁、粗びきこしょう各適量、好みで刻んだパクチーを加えて混ぜたものを豆腐にのせる。
- キュウリやミョウガを加えて食感や香りを変えてもおいしい。
アレンジ冷ややっこ【オニオンレモンマスタードやっこ】
爽やかな酸味とタマネギの食感を味わう。
作り方
- マスタードとオリーブオイル、レモン果汁を混ぜて豆腐にかけ、細かく刻んだタマネギをのせる。
- 塩味が足りなければ岩塩をかける。
【豆腐のハワイアンポケ(Poke)風】
ハワイのソウルフード「ポケ/ポキ(Poke)」を豆腐で再現。サラダ感覚で食べられる。好みでわさびや一味唐辛子を混ぜればスパイシーに。
作り方
- 木綿豆腐は2〜3センチ角に切り、キッチンペーパーで包んで10分ほど水気を切る。アボカドは角切り、タマネギは薄くスライスする。
- しょうゆ(ポン酢でもよい)小さじ2、ごま油小さじ2、塩小さじ1/2を混ぜて、ボウルの中で①と合わせる。
- 皿に盛りつけたら、好みでごまやのりを散らす。
【オイル漬け豆腐】
使い切れなかった豆腐をしっかり水切りしてオイル漬けにすれば、フェタチーズのような新食感で豊かな味わいに生まれ変わる。
作り方
- 木綿豆腐を2センチ角に切り、キッチンペーパーで包んで、時折ペーパーを取り換えながら重しをせずに、1時間ほど水切りする。(重しをするとつぶれてしまう)
- ふた付きの瓶にできるだけ隙間なく豆腐を詰めて、全体が浸るまでオリーブオイルを注ぐ。
- 塩小さじ1程度を入れ、種を取った唐辛子やバジル、ローズマリーなど好みのハーブを入れる。ふたをしっかり閉めて、塩が均一に混ざるように瓶を傾ける。
- 冷蔵庫で2晩以上寝かせて完成、5日以内に食べ切る。
【オイル漬け豆腐のカプレーゼ風】
前菜に最適
作り方
- オイル漬け豆腐と、半分に切ったミニトマト、バジルを皿に盛り付ける。
- 豆腐を漬けておいたオリーブオイルを上からかけて、粗びきこしょうを振る。
★オイル漬け豆腐は、他にもペースト状にしてサンドイッチの具にしたり、ポテトサラダに混ぜたり、アレンジできる。
つぶす
【豆腐ポタージュ】
とろりとした口当たりで、優しくおなかを満たすポタージュは、朝食にぴったり。ゆでたエダマメや蒸したカボチャなどを加えれば、色鮮やかに仕上がる。夏は冷製スープにしてもおいしい。
材料(2人分)
- A
- 絹ごし豆腐:150グラム程度(1/2丁)
- 豆乳: 200ミリリットル
- 顆粒(かりゅう)コンソメ:小さじ1
- 塩:小さじ1/4
(塩の代わりにみそ小さじ1/2を加えると、うま味が深まる)
- 粗びきこしょう:適量
- オリーブオイル:適量
作り方
- ミキサーにAを入れて、かき混ぜる。
- ①を鍋に移し中火にかけ、へらで鍋底から混ぜながら温める。沸騰しないように注意する。
- 器に盛り、仕上げに粗びきこしょう、オリーブオイルをかける。
【スパニッシュ豆腐風オムレツ】
卵に滑らかにした豆腐を加えた生地は、蒸し焼きにすると、ふんわりと膨らみ、冷めても硬くなりにくい。乾燥パセリやハーブミックスなどを加えると、さらに香りが豊かに。ミニトマトやマッシュルーム、グリーンピースなど、具材はアレンジできる。
材料(2人分)
- 豆腐(木綿でも絹ごしでも可):150グラム程度(1/2丁)
- 卵(M〜Lサイズ):3個
- ジャガイモ:65グラム (小さめ1個)
- ホウレンソウ:45グラム(1束)
- ベーコン:60グラム
- ピザ用チーズ:30グラム
- 塩:適量
- こしょう:適量
- 乾燥パセリやハーブなど:好みで
- オリーブオイル:適宜
- ケチャップ:適宜
作り方
- ジャガイモは皮をむいて半分に切り2ミリほどの半月状にスライス、ホウレンソウは一口大、ベーコンは1センチ幅に切る。
- ボウルに豆腐を入れ、泡立て器で滑らかになるまで混ぜて、ペースト状にする(ミキサーやフードプロセッサーを使っても良い)
- ②に卵を割り入れ、かき混ぜる。
- フライパンにバターを入れて、ホウレンソウとベーコンを炒める。塩、こしょうで味を付けて、火が通ったら③に加える。ジャガイモ、チーズもボウルに加えて混ぜる。
- オリーブオイルを敷いたフライパンを弱めの中火で温め④を流し入れて、ふたをして8〜10分ほど蒸し焼きにする。
- 片面がよく焼けたら裏返して、ふたをせずに5分ほど焼く。表面に焼き色がついたら完成。
- 6〜8等分に切り分けて好みでケチャップをかける。
煮る
【肉豆腐】
豆腐は煮物にすると、スポンジのようにうま味を吸う。定番の肉豆腐は、フライパン一つあれば短時間で作れる。豆腐は高温で煮ると硬くなって食感が悪くなるため、やや濃いめの煮汁を用意して、最小限の火力で味を含ませ、ぷるんとした弾力を残すのがポイント。
材料(2人分)
- 木綿豆腐:150グラム程度(1/2丁)
- 牛薄切り肉:150グラム
- タマネギ:1/2個
- A
- 酒:大さじ3
- 砂糖:大さじ1
- みりん:大さじ2
- しょうゆ:大さじ3
- 水:200ミリリットル
- 好みで、シイタケ、しらたきを加えればボリュームが出る。
作り方
- 木綿豆腐は4~5センチ角、厚さ1.5~2センチに切り、キッチンペーパーで15分ほど水気を切る。牛肉は食べやすい大きさに切り、タマネギはくし切りにする。
- 深めのフライパンに豆腐とタマネギを並べ、あらかじめ合わせておいたAを加えて弱火にかける。時々、おたまで煮汁をすくって上からかけると、豆腐に味が染みる。
★豆腐は煮汁に浸る薄さに切ると、味がしみやすくなる。 - タマネギが透き通り、豆腐に味が染み込んできたら、水を加えて中火で加熱する。
★豆腐の水切りが足りないと、水分が出てくるので、水の量を20~50ミリリットルほど減らす。 - 豆腐とタマネギをフライパンの端に寄せ、あいたスペースに牛肉を1枚ずつ広げて火を通す。
- 火を止めて10分ほど置く。
★豆腐や牛肉は高温で長く煮ると、硬くなり食感が悪くなるので、加熱時間は最小限に抑える。 - 器に盛り、好みで七味唐辛子やサンショウをかけて食べる。
写真撮影=工藤 詩織