成人式
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大人への仲間入りを自覚する儀式
毎年1月の第2月曜日に、地方自治体の公民館などで着物やはかま、スーツなどで正装した若者たちを見かける。「成人式」に出席する人たちだ。成人式は、成人した若者たちが、両親や周りの大人たちに保護されてきた子ども時代を終え、自立して、大人の社会へ仲間入りすることを祝い励ますための式典。地方自治体や公共団体が、前年の4月2日からその年の4月1日までに成人になる若者を招待し、激励、祝福する行事で、講演会やパーティーを開いたり、記念品を贈ったりするイベントだ。
2022年3月までは「20歳が成人」とされていたが、140年ぶりの民法の改正により同年4月1日から「18歳以上が成人」となった。ただ、高校3年の1月は受験シーズンと重なるため、自治体が主催する「成人式」は、今まで通り20歳での開催を継続するところが多いようだ。
成人式は、奈良時代(710-794)に起こった15歳頃に成人を祝う「元服式」に始まる風習。成人の儀式は、パプアニューギニアのサメを素手で捕らえる儀式など地域によっていろいろあるが、欧米などでは日本の「成人式」のような式典はほとんどないという。
成人になる高揚感からか、儀式で羽目をはずす新成人がニュースを騒がす。この日ばかりは、大人になる未来への不安を忘れて、成人になった喜びを味わいたいのだろうが、大人になった記念にはしゃぎすぎて事件を起こすのであれば、本末転倒だ。
成人式には大雪がふる?
成人式は、国民の祝日として制定されている「成人の日」に行われることがほとんどで、1月の第2月曜日に行われる。
女性の多くは振り袖を着て髪を正装に結い上げ、あでやかな姿で登場する。男性はスーツ姿がほとんどで、羽織ばかまの着物姿も見られる。開催場所は、各地方自治体等の施設で行われることが大半だが、千葉県浦安市での成人式は東京ディズニーランドで開催するなど、地元のテーマパークで開催する自治体もある。
ただし、なぜか成人式には雪が降ることが多い。過去30年のデータによると、東京近郊(関東)でも13%の確率、10年に一度は大雪が降っている。着物を準備するときは、天気予報のチェックが欠かせない。
18歳で結婚やマンション契約、20歳でお酒とたばこがOK
2022年4月1日から民法第4条の改正に基づき、18歳になると「成人(=大人)」と見なされるようになった。
18歳になると、親の同意なく結婚したりできるなど大人としての権利、責任や刑罰、その他の義務も課せられるようになる。一方、健康への悪影響や青少年保護、非行防止などの観点から、法律により未成年の飲酒と喫煙は禁止されているため、今まで通りお酒とたばこは20歳から。競馬や競艇などの公営ギャンブルの投票券購入も、20歳に達するまでは禁止だ。ただし、「パチンコ」には、18歳からの入店が認められている。
ちなみに選挙権については、2015年6月に20歳から18歳に引き下げる法律が成立し、2016年の選挙から、投票日に満18歳以上であるものが投票できることになった。
バナー写真=渋谷公会堂にて新成人を祝う会 2015年1月 ©ニッポンドットコム