
「熱意はない。でも、辞めませんよ」ジワリ広がる “静かな退職” ―マイナビ調査 : 働き方もコスパ重視?
仕事・労働 社会
バブルの頃、「24時間戦えますか?」と高らかに歌う栄養ドリンクのCMがあった。あれから35年、がむしゃらの時代は終わり、正社員としてのメリットを享受するための最低限の義務を果たすことがスマートな働き方になりつつある?
他の言語で読む
- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
仕事への意欲も向上心もなく、指示されたことを淡々とこなすだけの「静かな退職」と呼ばれる働き方が増えているという。
就職情報サイトを運営するマイナビ(本社・東京)が20~50代の正社員を対象に2024年11月に実施した調査(有効回答数3000)で、「静かな退職」をしていると回答した割合は44.5%に上った。
年代別で最も多かったのは20代の46.7%だが、いずれの年代も4割を超えており、「静かな退職」組は世代を問わず幅広く存在していると言える。
「静かな退職」組の57.4%は、「静かな退職」で得られたものがあると回答。具体的には、「自分の時間への満足感」23.0%が最多で、「仕事量に対する給与額への満足感」13.3%が続いた。
「静かな退職」組に、「静かな退職」を継続するつもりかを聞いたところ、「ずっと続けたい」29.7%が最多。「できるでだけ」「どちらかといえば」も合わせた、「静かな退職」継続意向は70.4%に達した。
40代は73.5%が「静かな退職」継続意向であったのに対し、20代は35.4%が「静かな退職を続けたくない」と考えており、年代によって考え方に差があった。
「静かな退職」のきっかけは、「今の職場にやりがいのある仕事がない」「面談でアピールしても評価されない」など、不満が引き金となったケースと、「コスパがいい」「キャリアアップは望まない」など価値観に基づくケースがあった。
企業の中途採用担当者に「静かな退職」の賛否を聞いたところ、「賛成」38.9%が、「反対」32.1%を6.8ポイント上回った。「キャリアアップを求めない働き方も考慮すべき」「そういった人材がいないと成り立たない業務もある」など、現状を淡々と受け入れているようだ。
バナー写真 : PIXTA