
衆院議員資産公開 : 麻生太郎元首相が6億円超でトップ :「1000万円未満」が過半数占める
政治・外交
「政治とカネ」の問題で政治不信が高まったことがきっかけで1993年からスタートした資産公開。30年余りを経て、政治とカネへの不信解消にはさほど役立ってはいないような気もするけれど…意味ある制度にするためには、まずは、公開情報に興味を持つことから!
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2024年10月27日の衆院選で当選した全議員465人の資産公開で、1人当たり平均額は2669万円と過去最少を更新した。高額資産のベテラン議員が引退・落選したことなどが影響したとみられる。(額は金融資産と不動産の合計。自動車、ゴルフ会員権、保有株式も公開対象だが、金額換算の対象外)
資産状況の分布を見ると、「1000万円未満」が過半数を占め、全体の20%に相当する95人が報告資産「ゼロ」だった。「世襲ではない」「当選回数の少ない」議員の資産は少ない傾向にあるが、小泉純一郎元首相の次男で当選回数6回を数える小泉進次郎氏や、加藤紘一元自民党幹事長の三女で当選4回の加藤鮎子氏も資産ゼロだった。衆院議員を5期務めた後に名古屋市長に転じ、保守党共同代表として再び衆院に戻った河村たかし氏(保守)も資産ゼロ。
資産が最も多かったのは麻生太郎元首相(自民)の6億153万円、超僅差で逢沢一郎氏(自民)6億103万円が続いた。「1億円超」は22人でほとんどが自民党議員だった。
各党党首では、公明党の斉藤鉄夫氏が2億2044万円で断トツ。石破茂首相は1555万円と全体平均も下回った。
資産公開制度は1993年に始まった。選挙日時点の本人名義の資産が公開対象。普通預貯金や仮想通過は含まれない。また、家族名義の資産は報告の対象外で、抜け道を指摘する声もある。ウェブでの情報公開はされていないため、一次情報を入手する方法は議員会館での閲覧のみ。複写や撮影は禁止されている。
注 : この記事は新聞各紙が2025年4月8日に掲載した衆院議員の資産公開一覧を基に作成した
バナー写真 : PIXTA