Japan Data

収束見えない “令和の米騒動” : 備蓄米放出してもコメ価格の上昇続く

経済・ビジネス 暮らし

昨年夏に「令和の米騒動」と呼ばれるコメ不足で価格が上がり始めた時には、「新米時期になれば、流通不足も価格高騰も解消される」と言われた。政府備蓄米の放出が発表された時には、「流通の目詰まりが解消されれば価格は落ち着く」と言われた。しかし現実は… 1年前の倍以上で5キロ4000円超!

全国のスーパーで3月最終週に販売されたコメ5キロ当たりの平均価格は、前週比10円上昇の4206円。13週連続の値上がりで過去最高値を更新した。民間のKSP-SPが提供する全国のスーパー約1000店舗のPOSデータに基に農林水産省が算出したもので、上昇率は鈍化したものの、前年の同時期と比べて2倍以上となっている。

政府はコメ価格の高騰に対応するため備蓄米の放出に踏み切り、3月28日までに予定していた21万トンの入札を実施。1回目の入札分は3月下旬から出回り始めたが、市場価格を押し下げるパワーはなく、令和の米騒動の収束は見えない。

スーパーでのコメ販売価格(5キロ当たり)の推移

コメ価格の上昇で、コメを原料とする商品の値上げも続く。サトウ食品は、2024年12月にパック入りごはんを11-14%値上げしたが、「原料米の更なる急騰を受け、このまま自社の企業努力だけで吸収し続けることは極めて困難」と、6月2日出荷分から約11-14%の再値上げに踏み切る。牛丼チェーンのすき家が3月18日から、𠮷野家は4月10日から主力の牛丼商品を値上げした他、コンビニでもおにぎりや弁当などのコメ関連商品の値上げが相次いでいる。

江藤拓農林水産相は4月9日、2025年産米が出回り始める時期までの間、政府備蓄米を毎月放出する方針を発表した。 

バナー写真 : PIXTA

    この記事につけられたキーワード

    コメ 農林水産省 主食 備蓄米

    このシリーズの他の記事