
遺児家庭の所得、平均の半分未満 貧困浮き彫り
社会 教育 家族・家庭 仕事・労働
病気や災害などで親を亡くし、奨学金を受ける高校生のいる世帯の年間の平均可処分所得は187万8000円で、全世帯平均の半分に満たないことが分かった。
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親を亡くした遺児を支援する「あしなが育英会」(東京)が、同会から奨学金を受ける高校生のいる世帯についてアンケートを行い、発表した。アンケートは2024年10月、オンラインと郵送を通じて高校奨学生の保護者3536人を対象に実施し、2334人から回答があった。回答率は66%だった。回答者の82%が母親で、父親が10.7%、祖父母が5.3%など。
可処分所得の平均額は187万8000円で、23年に厚生労働省が実施した調査での全世帯平均額405万8000円に対して46.3%にとどまった。母子世帯平均251万4000円と比べても低くなっている。
回答者の約7割が「就業している」と答えたものの、このうち正規雇用は25.8%で、6割強が派遣社員やアルバイトなどの非正規雇用だった。
可処分所得は、年収から社会保険料と税金を差し引いた「自由に使えるお金」を指す。奨学生世帯の場合、年金、児童扶養手当、生活保護などの公的扶助も可処分所得に含まれる。同育英会は、奨学生世帯の可処分所得が公的扶助を含めても全世帯平均より低い理由として、保護者が(1)シングルインカム、(2)非正規雇用、(3)病気や障害で就業が困難―といった背景を挙げている。
バナー写真:PIXTA